【週俳2月の俳句を読む】
そういうときの
宮本佳世乃
春風に吹かるる鳩を見て帰る 堀切克洋
春風は、基本的にはやさしい風。季節はまだ少し肌寒い。
休みの日や、ぽーんと余裕ができた日、
しゃらしゃらとしたスーパーの袋でも提げて、鳩を見て帰る。
この句を見ていると、のんびりしたくなる。
姿見の下の屑籠暮れかぬる 黄土眠兎
姿見も、屑籠も、最近はあまりきかない言い方だ。
だからこそ、暮れかぬるの世界観が生きてくる。
たしかに姿見の下には小さめの屑籠がありそうだし、
そういう空間にいるときの、なかなか暮れて行かないようす。
そういうときの、気持ちのありよう。
2018-03-18
【週俳2月の俳句を読む】そういうときの 宮本佳世乃
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