【週俳4月の俳句を読む】
光の切なさ
藤井あかり
うたごゑの天の高きを組み上ぐる 吉川創揮
歌声の高さが天の高さとなるまで。
蝶の脚たんぽぽの絮乱さずに 同
これ以上ないほどそっと。
かなしみの耳の熱しよ紫木蓮 同
目頭から耳へと伝わっていった熱。
春眠やあこがれて鳥降りてくる 同
空に憧れる人と地に憧れる鳥の夢うつつ。
牛りんと匂ひ立ちたる桜かな 同
りんと立ち、りんと匂い立つ。
割れて窓光なりけり燕 同
割れる前とは違う光の切なさ。
【対象作品】
■三輪小春 行く春 10句 ≫読む
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