2018-06-03

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜 第53回 ザ・ドゥルッティ・コラム「Sketch for Summer」

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
第53回 ザ・ドゥルッティ・コラム「Sketch for Summer」


天気●夏が来ると、聞きたくなる曲ってありますよね。

憲武●ミシェル・ルグランの「the summer of  '42」、遠藤賢司「寝図美よこれが太平洋だ」、東京事変「群青日和」、ドアーズの「break on through」でしょ、クイーンの「炎のロックンロール」、黛ジュンの「天使の誘惑」、えーとそれから……。

天気●まあ、たくさんあるんですが、今回はザ・ドゥルッティ・コラム (The Durutti Column)の「Sketch for Summer」。



天気●ザ・ドゥルッティ・コラムというのはバンドなんだけど、メンバーはヴィニ・ライリーというイギリス人ひとり。

憲武●高橋幸宏が聴いているというので、ぼくもよく聴きました。another settingというアルバム。ジャケットが綺麗で眺めながら聴いてると最高でした。

天気●最初にこの人を聴いたのは、「Fruit of the Original Sin」(1981年)というコンピ・アルバム。ベルギーのクレプスキュール・レコードから出たやつ。その前年に「From Brusssel with Love」というのがあって、2枚合わせて、知的でオシャレっぽいニューウェーブを凝縮したようなアルバムでした。

憲武●おお、クレプスキュール・レコード! 流行ってたんじゃないですかね。82、3年頃。アンテナとかミカドとかいましたよね。

天気●いましたね。Mikadoは「Par Hasard」が懐かしい。どちらも、このコンピ・アルバムの直後のデビュー。ポップス色の強い、アンニュイな音でした。

憲武●純粋テクノと細野晴臣が言ってたような。

天気●で、くだんのコンピで聴いておもしろかったので、ザ・ドゥルッティ・コラムのレコードを数枚買いました。そのなかでも印象に残ったのは、この曲。

憲武●この曲の感じ、シャドウズの「春がいっぱい」を想起するんです。発想の根底にありそうな感じするんです。推測ですけどね。

天気●んんん、どうでしょう。ギター・インストってとこは同じですが、短調と長調って違いもあって、曲調はまるきり違って聞こえます。

憲武●まるっきり違うんですけど、ギターの音色とかね。

天気●話題らしい話題がなくて申し訳ないんだけど、気温が上がってくると、いまでも、これ、聴きたくなる。で、ちょっとオセンチな気分に浸るというわけです。


(最終回まで、あと948夜) 
(次回は西原天気の推薦曲)

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