2019-01-20

10句作品 小西瞬夏 手ぶら

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小西瞬夏 手ぶら

黒人霊歌諸手で掴む冬の空

兎追ふ昼の底ひの白むなり

叡山の奥処へ椿放らなむ

はうれん草卵で綴じるやうな夜

蛇口より漏るる光やラガー黙

海しづか鯨が夜を噴き上げて

冬暖か髭の猟師の手ぶらなり

たましひの凍てて濃き墨あはき墨

毒消買ひ寒紅を買ひ桂川

冬薔薇束ね冬薔薇に紛れ

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