中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜 ボビー・ハンフリー「ハーレム・リヴァー・ドライブ」

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜

ボビー・ハンフリー「ハーレム・リヴァー・ドライブ」

憲武●フルートの音色はいいものですよね。その音色をバックにこれからの季節、オープンカーで新緑の中をドライブなんてなかなかだと思います。という訳でボビー・ハンフリーで「ハーレム・リヴァー・ドライブ」。

天気●ドライブ向きです。まさに。 

憲武●この曲の収録されてるアルバム、1973年の作品なんですが、古さを感じさせません。ボビー・ハンフリーはフルート奏者でヴォーカルも取ります。クラシックのフルートもいいんですけど、ジャズのフルートはまた格別の感じがします。

天気●ジャズといえばジャズなんですが、クロスオーヴァー。ジャズの人が、この頃、こういうシンプルで聞きやすく、それでいて、ちょっと黒っぽくて、ファンキーな方面に傾きました。

憲武●それがフュージョンと呼ばれる流れになりますね。この当時、ミュージシャンはこぞってフルートを取り入れてたような印象があります。カーペンターズ、ジェスロ・タル、ハービー・マン、井上堯之バンドなどなど。

天気●ハービー・マンはフルート奏者、ジェスロ・タルはフルート奏者イアン・アンダーソンが中心メンバーだから、取り入れたっていうと、叱られそう。カーペンターズや井上堯之バンドはアレンジにフルートを入れた曲？

憲武●カーペンターズは、mr.guder、this masquerade、jambalaya、それからここでも紹介しました road ode などで印象的に使ってます。井上堯之バンドは、「太陽にほえろ！」のサントラの中で、それこそthis masqueradeで使われてるような吹き方してると思いましたっけが。

天気●ほお。

憲武●このアルバムの音色（おんしょく）結構好きなんです。いま、こういう音は出せないと思います。その時代の空気の中でしか出せない音ってあるんですね。

天気●気持ちいいですね。

憲武●連休はこれを聴きながら何処へ行きましょうかね。

（最終回まで、あと909夜） 

（次回は西原天気の推薦曲）