2019-12-22

10句作品 福田若之 推敲 

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福田若之  推敲

夜明け前の上り電車を待つ厚着

雨漏りをやがては氷柱とも思う
 

寂しみは鯛焼きの鰓その陰り
 

三日月を冴えた水面に風が研ぐ
 

かわせみが雪の景色の枝に待つ
 

筆を執りながらに咳をこぼす夜
 

とっぷりと濡れて仕上がる焼き林檎
 

推敲の果てに海鼠の句が残る
 

曰く座の文芸だとかなべこわし
 

地吹雪にまた僕の影見あたらない

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