後記 ◆ 岡田由季
会場は京都の報恩寺。夜な夜な鳴いて秀吉を悩ませたという「鳴虎図」を蔵しているお寺です。四人の作家とひとつのグループによる合同展なのですが、なんと、彼らが制作したアート作品は何一つ置かれていない、「何も展示しない展覧会」とのことなのです。
「報恩寺の角度」と題された展覧会、実体としてあるのは、報恩寺そのものと、展覧会の趣旨の書かれたリーフレットのみ。展示物は報恩寺の様々な「角度」ということになるのでしょうが、リーフレットの文章によると、その角度とは、単に建物や庭園を色々な角度で見てください、といったシンプルなものではなく、信仰の場としての報恩寺の存在や、「鳴虎図」等の報恩寺の寺宝、さらには見ている人自身の存在をも巻き込んだ、時間空間の多義的な「角度」のようなのです。
ある意味、究極と言えるような展示内容に意表をつかれ、色々と考えさせられました。俳句も、何らかの角度を提示するものかもしれない、とも。
「報恩寺の角度」
会期は12/8までだそうです。
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no.658/2019-12-1 profile
■小池純代 こいけ・すみよ
1955年生まれ。歌集『雅族』(1991年)、『苔桃の酒』(1994年)、『梅園』(2002年)。
■三宅桃子 みやけ・ももこ
2005年より作陶を始める。2013年より俳句を始める。作陶は「土やき研究会」で活動。俳句は、超結社「豆の木」を中心に作句。2016年、「陸」入会。
■中嶋憲武 なかじま・のりたけ
1994年、「炎環」入会とほぼ同時期に「豆の木」参加。2000年「炎環」同人。03年「炎環」退会。04年「炎環」入会。08年「炎環」同人。
■樋口亜茶子 ひぐち・あさこ 1965年生まれ。東京都在住。「街」会員。
■西原天気 さいばら・てんき
1955年生まれ。句集に『人名句集チャーリーさん』(2005年・私家版)、『けむり』(2011年10月・西田書店)。笠井亞子と『はがきハイク』を不定期刊行。ブログ「俳句的日常」 twitter2005年より作陶を始める。2013年より俳句を始める。作陶は「土やき研究会」で活動。俳句は、超結社「豆の木」を中心に作句。2016年、「陸」入会。
■中嶋憲武 なかじま・のりたけ
1994年、「炎環」入会とほぼ同時期に「豆の木」参加。2000年「炎環」同人。03年「炎環」退会。04年「炎環」入会。08年「炎環」同人。
■樋口亜茶子 ひぐち・あさこ 1965年生まれ。東京都在住。「街」会員。
■西原天気 さいばら・てんき
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