2020-06-28

後記+プロフィール688

後記 ◆ 村田 篠

移民としてアルゼンチンに渡った崎原風子の俳句を読む「崎原風子読書会」の前篇をお送りします。

不勉強にして崎原風子という俳人を知りませんでしたが、移民という状況と俳句の関わり、ブラジル移民とアルゼンチン移民の相違、ラテンアメリカという風土が俳句にもたらすもの、寺山修司への言及まで、面白く、興味深く読ませていただきました。俳句を通してアルゼンチンを知る機会にもなり得るかとも思いました。

アルゼンチンではありませんが、10年ほど前にメキシコを旅行して、俳句をつくったことがあります。そのときに、「季語」をつかう余地がないという経験をしました。当地には季語の代わりになるものが数多くあり、それは単に「句材」というだけではなく、言葉を発するための動機付けのような役割を果たしていました。俳句の頭ではないものを使って俳句をつくろうとしていたのではないかという気がします。それ以来ラテンアメリカは、もういちど足を運びたい場所になりました。

「崎原風子読書会」後篇は来週号に掲載予定です。楽しみです。



それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。


no.688/2020-6-28 profile

安里琉太
1994年生。銀化、群青、滸同人。句集に『式日』。

石川美南
1980年生まれ。普段は短歌を作っています。2020年3月、5冊目の歌集『体内飛行』刊行。趣味は「しなかった話」の蒐集。

大塚 凱
1995年生まれ。大学は東京でそれも去年の秋に卒業したので考えています。何を。

小川楓子
1983年生まれ。「舞」会員。終刊までの十年間「海程」所属。

黒岩徳将
1990年生まれ。「いつき組」「街」所属。

寺井龍哉
1992年生まれ。短歌史誌「Tri」同人。

外山一機
1983年生まれ。「鬣TATEGAMI」同人。力行会の書庫に出入りして以来、移民の俳句の世界に興味津々。

中矢 温
東京外国語大学3年。東大俳句会、外大短歌会など。

原麻理子
1987年生まれ。短詩系ユニットgucaにて活動。「小部屋句会」などに参加。

平岡直子
1984生まれ、歌人。俳句に関しては赤ちゃんです。

三世川浩司
1956年生まれ。「海原」に参加。

柳元佑太
1998年北海道生まれ。現在早稲田大学4年生。「澤」所属。

■中嶋憲武 なかじま・のりたけ
1994年、「炎環」入会とほぼ同時期に「豆の木」参加。2000年「炎環」同人。03年「炎環」退会。04年「炎環」入会。08年「炎環」同人。

西原天気 さいばら・てんき
1955年生まれ。句集に『人名句集チャーリーさん』(2005年・私家版)、『けむり』(2011年10月・西田書店)。笠井亞子と『はがきハイク』を不定期刊行。ブログ「俳句的日常」 twitter

■村田 篠 むらた・しの
1958年、兵庫県生まれ。2002年、俳句を始める。現在「月天」「塵風」同人、「百句会」会員。共著『子規に学ぶ俳句365日』(2011)。「Belle Epoque」

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