2020-06-28

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜 アストラッド・ジルベルト「Goodbye Sadness」

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
アストラッド・ジルベルト「Goodbye Sadness」


天気●鬱陶しい雨がちの日が続きますね。ひと足早く夏を迎えたいということで、アストラッド・ジルベルト「Goodbye Sadness」です。


天気●アストラッド・ジルベルトはジョアン・ジルベルトの嫁はんで、元祖ボサノヴァのような人。アントニオ・カルロス・ジョビンとか何人かいるんだけど、とにかく、まあ、いかにも物憂いボサノヴァっぽい声と歌唱の人。

憲武●アストラッド・ジルベルトといえばボサノヴァそのものみたいな。この曲、いろんな人が演奏したり、歌ったりしてますので、お耳馴染みの曲かもしれませんね。あとBGMとか番組のオープニングとして使用されたりもしてますしね。

天気●この演奏は、テンポが早いこともあって、ボサノバよりもサンバに近いようです。

憲武●セルジオ・メンデス&ブラジル'77の演奏もサンバですね。

天気●バンド編成はおそらく単純で、ドラム、ベースに、ギターとオルガン。オルガンが気持ちいいんですよね。バッキングの刻みからソロまで。涼しい音してる。

憲武●たぶん故ジョアン・ジルベルトもバックに参加してますよね。

天気●歌詞は英語で始まって、原曲(元の歌詞)「Tristeza」へ。悲しみはもうたくさん、悲しみにサヨラしたい、という、つまりは悲しい歌なんですが、曲が明るくて、救いがある。でも、悲しみがなくなるわけじゃなくて、むしろ際立つというね。いい曲です。

憲武●タイトルが「悲しみ」なんですけど、タイトルとは裏腹な陽気な演奏が、ブラジルの大地に心を馳せさせられます。ブラジルはいま、大変な状況になってますけどね。

天気●悲しいことだらけだけど(憲武さんもそうでしょ?)、まあ、なんとなく生きていきましょう。で、出来ることなら、心身ともに健やかに。


(最終回まで、あと851夜)
(次回は中嶋憲武の推薦曲)

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