後記 ◆ 上田信治
ごぶさたしております。
「週俳」スタッフである上田ですが、ずっと、更新当番をお休みしていました。一年以上?
じつは、というほどのワケでもないのですが、小誌のプラットフォームである blogger は、アップルユーザーにたいへん厳しく、ログインを何回かミスった上田は、どうしても操作画面にログインができなくなり、更新が手伝えなくなっていたのです。
最近、blogger は大規模なリニューアルを行い、小誌は保存データの一部がスポンと飛んだりして(記事は失われていないのですが、下書きの形で残していた、執筆者プロフィールが消えてしまいました)使いにくくなったね〜、とスタッフ一同、困っていたのですが、なぜか、上田は、あっさり入れるようになりました。
恩赦ですね、たぶん。
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さてここで、自分が「週刊俳句」で書きたい、書かねばと思っているテキストの執筆予定を書きます。いわば「宿題」リストです。
「藤田哲史『楡の茂る頃とその前後』と、安里琉太『式日』の句集評」
昨年の生駒大祐『水界園丁』に続き、この2冊が、今年出たことの意味をあとづけたい。
どう見ても、この3冊には共通する方法意識と俳句観があって、それは、言葉の運動と関係によって抽象性を高めるということなのではないか、と。
角川「俳句年鑑2021」の「今年の句集」執筆者が3人とも、この2冊を取り上げなかったことは、誠に遺憾。特に安里さんも参加する「群青」の櫂未知子さんが『式日』をスルーしたっていうのは、あいかわらずスゲえなという感想しかない。
「2020角川俳句賞落選展を読む」
今回も、たくさんのご参加をいただきました。ありがとうございます。誌上でごあいさつを申し上げていなかったこと、お詫びいたします。
今年の角川俳句賞は、岩田奎さん「赤い夢」50句が受賞されたわけですが、選考委員の評価は、黒岩徳将さんの「嘴太鴉」とまったく拮抗していて、どちらが受賞してもおかしくなかった。どっちがとっても平成生まれ。一次予選の顔ぶれ、はっきりと年齢が若くなっていますし、なにより作品的に「これは潮目が変わっている」と強く思いました。
俳句は、どうも、新しくなろうとしているのではないか。それも、かなりの勢いで。
落選展にご応募いただいた作品、今年も、ものすごく面白いです。一次予選通過の作品は、編集部からお願いして、ご参加いただいたものも多く、それも含めて、俳句の「今」について考えつつ、ていねいに読んでいきたい。
「成分表」
ときどき書きます。「里」が、とりあえず出ていないので、載せるあてがないのが二本あります。あれを書くことが、いちばん楽しいので。
あとは、去年と今年に出た、何冊もの印象的な句集について、今井杏太郎について(あの作家がほんとうに実現していたことはなにか)、永井祐『広い世界と2や8や7』についても書きたい。
そんなかんじです。
1955年東京生まれ。2006年、「椋」入会、石田郷子に師事。2011年、第二回「椋年間賞」受賞。2015年、第一句集『星のなまへ』上梓。現在「椋」会員、俳人協会会員。
■瀬戸正洋 せと・せいよう
1954年生まれ。れもん二十歳代俳句研究会に途中参加。春燈「第三次桃青会」結成に参加。月刊俳句同人誌「里」創刊に参加。2014年『俳句と雑文 B』、2016年に『へらへらと生まれ胃薬風邪薬』を上梓。
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