2021-02-21

【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】細野晴臣「恋は桃色」

【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
細野晴臣「恋は桃色」


憲武●何となく春めいてきました。春めいてくると、この曲を口ずさんだりする訳です。細野晴臣で「恋は桃色」。


憲武●恋は水色だったりもしますが、桃色なんですね。

天気●ポール・モーリア、って言っても、もうわからない人が多いのかも。

憲武●この曲、1973年発売のソロアルバム「HOSONO HOUSE」の中に収録されてます。作詞作曲は細野晴臣です。

天気●「HOSONO HOUSE」は名盤。よく聴きました。

憲武●レコーディングは細野晴臣の当時の自宅ですね。埼玉県狭山市の稲荷山公園の近くにあったアメリカ村です。ですからこのアルバムの中の曲に、その生活が色濃く反映されているんですね。

天気●へえ、そうなんだ。

憲武●この当時、細野晴臣はロックに自分の声をどうやって載せるか、いろいろ悩んでたそうで、ジェームス・テイラーの歌唱法などだいぶ参考にしたと聞いてます。言われてみれば声質が似てますよね。

天気●はい。やらかい声。

憲武●動画のロケ地は、東大近くにあった築100年余りの学生下宿「本郷館」です。関東大震災でも東京大空襲でも東日本大震災でもびくともしなかったようですが、老朽化を理由に10年ほど前に解体されてます。都築響一の「TOKYO STYLE」という写真集でも見ることができます。このPV、いまや貴重な映像資料になってるんですね。

天気●「TOKYO STYLE」、いい本ですよね。よくめくりました。

憲武●近年、「HOSONO HOUSE」をリメイクした「HOCHONO HOUSE」がリリースされてて、同じ楽曲をやってるんですが、約四半世紀ぶりのリメイクには少々面食らうものがありました。ガラッと変わってるんです。これまでもその時々で曲への志向が変わるんで、さまざまなスタイルがあります。これからどう変化していくのか、興味の尽きない人です。


(最終回まで、あと819夜)
(次回は西原天気の推薦曲)

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