【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
ウィンターガタン「Marble Machine」
天気●まあ、なんというか、いろんなこと考えるもんだなあ、というのが、音楽というジャンルにも当然あって、少し前に偶然見つけて、お気に入りになったのが、これです。
天気●パチンコ玉2000個を使ってる。パートごとに奏でる機構がちがっていて、ちょっとびっくりです。このビデオは2016年なので、じつはもう充分に有名なのかもしれません。
憲武●こりゃあスゴイ。この機械はDIYでしょうか。おとぎの楽器ですね。
天気●ベースのフレットは人間が押さえたりもしていますが、ほとんどは、自動のメカニック。メロディの最初のアクションはシリンダー式オルゴールみたいなものですが、音が鳴る瞬間は、玉が落ちる打音。
憲武●その音がまた、いいですね。わずかに反響しているし、心地いいです。ちょっと水琴窟を感じさせます。
天気●音色がよくて、気持ちのいいアンサンブルです。機械が鳴らしていますが、きほん電子音じゃない(メカニックではあって、エレクトロニックじゃない)ので、温かみがあります。
憲武●はい。
天気●あと、だいじなところですが、楽器(?)の形状や色がとっても素敵ですよね。サイバー的でもあるけど、木の肌理が感じられて森林的でもある。
憲武●文字列も美しいです。時間が経つに従って味わいも出てくるでしょうね。
天気●ワンマンバンドの拡張版ともいえるし、見方、聴き方、捉え方によって、いろんなふうに思えてくる。一人で演ってますが、名義はウィンターガタン(Wintergatan)。スウェーデンのグループだそうです。
憲武●僕はなんとなく星の広がってる景色を想像しました。
天気●「Wintergatan」って、天の川って意味だそうですから、その想像はとても正しい。
(最終回まで、あと806夜)
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