2021-07-11

【吉岡簫子✕中嶋憲武の音楽千夜一夜】STRATOVARIUS「Black Diamond」

【吉岡簫子✕中嶋憲武の音楽千夜一夜】
STRATOVARIUS「Black Diamond」

先週に引き続き、今週もゲストをお招きしました。

簫子●吉岡簫子です。私が今日、ご紹介するのはSTRATOVARIUS「Black Diamond」(1996)です。この曲は1996年のアルバム「Visions」に収録されています。


簫子●この曲、作曲がティモ・トルキ、作詞がティモ・コティペルトです。ちなみにメンバーを紹介しておきますと、ティモ・トルキ(Guitter)、ティモ・コティペルト(Vocals)、ヤリ・カイヌライネ(Bass)、イエンス・ヨハンソン(Keyboards)、ヨルグ・マイケル(Drums)です。

憲武●このバンド、知りませんでした。メンバーの名前からすると、北欧のバンドですね。クラシックとロックの融合というのは、60年代末には試みられていましたが、ここにも継承されていますね。バンド名がストラトキャスターとストラディバリウスの融合で、見事にそれを表していると言えます。

簫子●STRATOVARIUSはフィンランドのバンドです。北欧メタルでもノルウェーではデスメタル、ブラックメタルが過激であまり聴きません。ジャーマンメタルは陰陽が入れ替わるメロディラインが素敵です。元々クラシックとバロックが好きで、且つヘヴィメタルやハードロックが好きなのです。STRATOVARIUS以外にもネオクラシカルのヘヴィメタルが好きです。聴いていると心が燃えてくるのです。

憲武●なるほど。その感覚はよくわかります。ヘヴィメタルと一口に言っても、長い年月の間にスラッシュメタル、スピードメタル、パワーメタル、ネオクラシカルメタル、デスメタルなど、かなり細分化されています。

簫子●そうですね。なかでもネオクラシカルというと、イングウェイ・マルムスティーンですが、キーボードのヨハンソンはイングウェイの下(もと)にキーボードを担当していました。

憲武●そうなんですね。イングウェイ・マルムスティーンは好きなミュージシャンです。

簫子●このバンドのメンバーは、前後色々あって2004年にはトルキ脱退、2011年にはマイケル脱退、現在では普通のパワーメタルバンドになっていて、嫌いではないのですが、あの頃のような熱狂は自分の中に感じられません。

憲武●あの頃というと、「Visions」発表の頃でしょうか?

簫子●はい、Visionsの頃です。トルキやマイケルの病気がなかったら、そのような悲劇も無かったかと。そう思うとヴィジョンズというアルバムは私の中で奇跡の一枚と言えます。

憲武●そうですか。

簫子●因みに、アルバムバージョンのブラックダイアモンドはヨハンソンのチェンバロの音から始まり、トルキのギターに引き継がれます。終楽もチェンバロで締め括られます。その辺も味わってみてください。

憲武●うーん、荘厳な感じで終わっていきますね。

簫子●一方、このライヴはヴィジョンズヨーロッパのものです。観客の熱狂が感じられて良いと思います。STRATOVARIUSはライヴだと若干走るのですが、そこがまた味なんです。


(最終回まで、あと799夜)

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