【空へゆく階段】№48 解題
対中いずみ
「晨」65号(1995年1月号)掲載。「私の近世俳人⑤芭蕉」を担当執筆した。裕明の目は、芭蕉を単に俳聖として讃仰するだけではなく、俳句作品の詩性の澄みを見つめている。
今号の発表作品10句。
月の友手帖のペエジ破りけり
自動車にタイヤの四つ菌狩
やすみつつ茸山歩きいたしけり
遊ぶ日と決めて朝から小鳥來る
ひたひより大きな銀杏落葉にて
芝青きところも落葉降りつづく
干拓の村の新米たまひけり
網代守童の笛をつかまつる
人形の足の真直に木の実降る
しぐるるや鞄の中に古りし本
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