【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
泰葉「フライデイ・チャイナタウン」
憲武●先週が台湾だったからという訳でもないですが、泰葉「フライデイ・チャイナタウン」です。
憲武●えー、フライデイ・チャイナタウンは1981年リリース、作詞、荒木とよひさ、作曲、泰葉、編曲、井上鑑ですね。ダーッダーッダッダダダタッタという最初のフレーズが印象的です。井上鑑のアレンジいいですね。
天気●寺尾聰『ルビーの指環』(1981年)の編曲で大きく出世した人ですね。
憲武●一節めの歌詞、「肩にぶつかる違い」ってずっと思ってて、どういう違いなんだろう?って、思ってたんですが、「肩にぶつかるジンガイ」だったんですね。外人のことです。荒木とよひさ、いいですね。
天気●もう絶えて久しいのでしょうか、業界・ミュージシャン訛りの逆さまことば。
憲武●この頃、1981年当時、キーボードを弾きながら歌うスタイルのアーティストが割といたような気がしてますが、原田真二とか久保田早紀とか、あと誰でしょう、泰葉もこういうスタイルでデビューしたんです。この曲で。テレビで見てて、いいなあと思ったのを覚えてます。
天気●音としては、大きな括りで70年代後半からのAOR(Adult-Oriented Rock)の流れなんでしょうけど、日本版シティポップというジャンルがあったような気がします。
憲武●ありました。吉田美奈子、佐藤奈々子、BUZZ、山下達郎、南佳孝など、そのジャンルに属していたと思います。
天気●都会的洗練を狙った歌詞とかアレンジ。
憲武●一方、1981年当時、YMOの影響かもしれませんが、松任谷由実が「水の中のASIAへ」というアルバムを発表したり、ニューミュージックと呼ばれていたアーティストたちに、割とアジア志向が流行りだったんですね。チャイナという語を使ったりして、その辺にうまく乗ってる感じですね。
天気●日本でのチャイナタウンとかチャイナって、ハイブリッド(混合)文化、ハイブリッド音楽の含意があって、吉田美奈子「チャイニーズ・スープ」とか、細野晴臣が少し前に中華街でライブやったりだとか。
憲武●細野晴臣は、1976年5月8日に横浜中華街の同發新館でライブやってますね。それから40年後にもライブをやったわけです。
天気●話題になりましたね。
憲武●泰葉という方、初代林家三平の次女だったり……。
天気●あ、そうでしたね。台東区生まれだ。
憲武●根岸です。鶯谷降りてすぐです。
天気●三平堂ね。
憲武●春風亭小朝との金屏風の前での離婚会見だったり、女子プロレスラーになったり、イラン人男性と婚約発表したり解消したり、自己破産したり、いろいろ大変だったと思いますが、現在は YouTube で「泰葉チャンネル」を公開してて、この曲も弾き語りしてます。頑張ってほしいです。
(最終回まで、あと793夜)
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