2021-08-29

【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】ローリング・ストーンズ「Start Me Up」

【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
■ローリング・ストーンズ「Start Me Up」


天気●ローリング・ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツが8月24日に亡くなりました。享年80歳。なので、ストーンズを聴きます。

 

天気●1991年のライブ。ビル・ワイマンがこれを最後に脱退するので、この演奏がいいかな、と。30年前なので、メンバーに老人感はなくて、おっさんたちが元気にロックンロールやってます。

憲武●この頃はまだまだ元気でした。日本に初来日した翌年ですね。今年7月にストーンズのアメリカツアーのニュースを聴いて、「おおっ、ついに」と思ってたらそのうち、チャーリー・ワッツは癌の治療で帯同しないニュースが流れてきて、心配だったんです。

天気●チャーリー・ワッツというと、まず、「ひとりだけ年長」って感じを若い頃から醸していましたが、実際は、ミック・ジャガーやキース・リチャーズより2個だけ上。ほんとに年長なのはベースのビル・ワイマン。チャーリー・ワッツのさらに5個上なのでした。すごい。

憲武●ビル・ワイマン長寿。何かと比較されてきたビートルズのリンゴ・スターは81歳です。

天気●チャーリー・ワッツで次に思い浮かぶのは、ステックの持ち方。トラディショナル・グリップといって、左が手のひらが上を向くかたち。ジャズには多いのですが、ロックでは、ほんとめずらしい。

憲武●この左手、独特ですよね。ジャズ・ドラマーです。

天気●で、もうひとつは、余計なことをしないドラミング。派手なオカズもアクションもなく、エイトビートを淡々とキープする。このステージでもそんな感じです。しぶい。

憲武●2014年3月に東京ドームで観た時も、貫禄のチャーリー・ワッツでしたよ。

天気●60年代のロックスターがどんどんと後期高齢者の範疇に足を踏み入れ、どんどん鬼籍の人となる。まあ、時代の流れですが、ロックが輝いた時代に、極東の片隅ではありますが自分も生まれて生きて、ラッキー! って感じです。


(最終回まで、あと792夜)

0 comments: