2021-09-05

【俳人インタビュー】高柳克弘さんへの10の質問

【俳人インタビュー】
高柳克弘さんへの10質問



Q1 
今週、何句作りましたか?

いま句帳(兼備忘録)を見たら、最後のページに、手羽先とかぼんじりとか焼き鳥の串の種類が書いてありました。先週、テイクアウトの注文をしたときに書き留めておいたものです。つまり、それ以来作っていないという事で、ゼロ句。もっと作らきゃ!ですね。

Q2 今朝、起きてから2~3時間の行動をできるだけ詳しく(公表できる範囲で)教えてください。

朝ご飯は基本食べないですね……。コーヒーを飲みます。カルディで売っている、ふつうのドリップ式のコーヒーです。

朝はとにかくダメダメですね。深夜に近づくにつれ、少しずつ元気になります。鈴木央『七つの大罪』の「傲慢の罪のエスカノール」と正反対ですね。

Q3 現在お住まいの町は、どんなところですか?

桜並木が名物。桜のまわりに花壇が作られていて、一年中花が絶えないのも素晴らしい。どなたの心映えなのでしょう。敬服します。

Q4 触り心地が好きなものってありますか?

なんだろう? 水かな。お風呂も大好き。温泉行きたい!

Q5 どういうわけか、雄鶏を一羽飼うことになりました。名前を付けてください。由来があれば、それを教えてください。

一羽だったら、他の個体と区別する必要がないので、付けないと思います。名付けるのが、苦手なのかも。自分の俳号すら、付けられなくて、本名でやっていますから。

9月8日に『そらのことばが降ってくる』(ポプラ社)ってタイトルの児童小説を刊行します(下記アドレスを参照ください。宣伝、恐縮です)。登場人物に名前を付けるのであれこれ迷って、結局主人公二人に「ソラ」(曽良)「ハセオ」(芭蕉)っていうそのままの名前を付けています。中学生の時に『ゆきうさぎ』って童話を書いたんですが、雪国の話だから出てくる女の子に「ユキ」ってつけたりして、変わってないですね。

新田真剣佑とか、かっこいい名前に憧れます。

Q6 俳句を書くときと小説を書くとき、心持ちや意識の組み立て方などに違いがありますか? あるとしたら、その違いを教えてください。

伝えたいことを凝縮するのが俳句で、拡散するのが散文、といった感じがします。ドライトマトが俳句で、トマトジュースが散文なのかな、喩えると。

Q7 いま読んでいる本を教えてください。

今更ながらヴァレリーについて学びたく、その周辺の本を。

Q8 好きな自然現象について、教えてください。

夕立が好きですね。夕立の間だけ頑張っていたら、それで自分も満足、人からも誉められる世の中だったら良かったなあ、と。人生は長すぎます。

Q9 ここ最近でいちばん笑ったことを教えてください。

うわあああ、最近、あんまり笑えてないですね。

Q10 来年の今日、ご自分は、なにをしていると思いますか。

ぜんぜん、想像もつかないです……。来年には大きな声で笑って暮らしていたいですね。


高柳克弘・近作十句

蟻潰すいつかは我も潰さるる

海風に錆びたるシャワー浴びにけり

ふるさとに舟虫走る仏間あり

みづうみの沖は近くて夏料理

新緑や心病む日の印象派

ふるさとも詩も捨てエンジェルフィッシュ愛づ 

ネットカフェ夜涼を人の出入りかな

赫と照らされて貪りやまぬ蛆

蟻の巣に毒行き渡る静けさよ

一切を振り切り天の揚羽かな

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