【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】toconoma「relive」

【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】

toconoma「relive」

天気●いちおうここは俳句のウェブマガジンで、憲武さんと私は俳句で知り合ったわけですが、いまも俳句には関わっている。まあ、大きな括りでは、ことばに関わるサイトであり人間なわけですが、それだからこそ、「ことばって、なんかややこしいし、要らないよなあ」と思うことが多々あってですね、音楽も、ヴォーカルの入っていないインストが心地よかったりする。

 

天気●toconomaってバンド、例によって、YouTube で偶然見つけたのですが、シンプルなR&B系のダンス音楽といっていいと思います。

憲武●カッコいいですね。冒頭のギターのカッティングから。よく見つけましたね。

天気●まずもって、バンド名がいいでしょ？　床の間。

憲武●はい。決して中央にはしゃしゃり出て来ず、隅の方で存在感を保ちながら毅然としている、そんな感じです。

天気●アンサンブルの構成音は少なく整理されていて、動画に見えているぶんですべてです。でも、それぞれ音色を含めた演奏が感じ良くって、安心して聴ける。

憲武●現在のバンドって、演奏うまくて当たり前！みたいなところ、あるじゃないですか。加えてメンバーの個性をどう活かしていくか？というところがネックになってくると思いますが、その辺が非常にうまく行っている感じします。

天気●まったく知らないバンドなので調べていると、どの時点だかわかりませんが、メンバー全員、音楽以外の仕事をもっていて、週末バンド、日曜バンドです。というと、趣味のバンドみたいですが、演奏技術やアイデア、センスはその域を超えてる。

憲武●仕事仲間とかで、バンドやろうよと言われて集まった今日びのバンドって、演奏技術はもうすごいレベルに達してますからね。あとは発想と説得力ですかね。

天気●音的にオシャレは狙っているけど、売れ線にはこだわっていない感が、やっぱり副業の余裕かなあ、と。本業・本職の良さや凄みももちろんあるのですが、副業、別分野を本業に持っていることの素晴らしさもあると思うんですよね。音楽も。

（最終回まで、あと790夜）