後記 ◆ 西原天気
世の中、どうなってしまうのだろう、という思い、というか想念は、ひとつの成分ではなくて、例えば恐れであるとか、諦念であるとか、あるいは嫌気だとか脱力感だとか、みずからの怠慢や無力、無気力を自省したりだとか、ともかく、種種雑多な成分がぐちゃっと混ぜ合わさっているような気がしていて、そうなると、なにかを述べたりすることが難しく感じられ、毎朝を少しどんよりとした無言で過ごし、そうはいっても日々為すべきことがないわけではないので、数年前と比べて劇的に異なる時間を過ごすわけではない。ないのだけれど、しかし、やはり違う。同じ気分というわけにはいかない。
世界がどのようになれば、いまの気分がどのように変化するのかは、まったく定かではないのですが、こうなれば、もう、シンプルに、心身ともに健やかに、少しでも健やかに過ごそうと努めるしかない。
ぽかぽかと暖かい土曜日、数千歩の散歩と4か月ぶりの献血。明日はとりたてて予定はありません。どこにでもあって、これまでも何度もあった、平凡な週末です。
●
それでは、また、次の日曜日にお会いしましょう。
それでは、また、次の日曜日にお会いしましょう。
no.776/2022-3-6 profile
■対中いずみ たいなか・いずみ
1956年生まれ。田中裕明に師事。第20回俳句研究賞受賞。句集に『冬菫』『巣箱』『水瓶』(第68回滋賀文学祭文芸出版賞、第7回星野立子賞)。「静かな場所」代表、「秋草」会員。
0 comments:
コメントを投稿