【空へゆく階段】№66 解題
対中いずみ
「晨」第73号(1996年5月号)掲載。電波天文学という大きな出だしには、若き裕明が魚目句集について語る昂揚感が感じられる。
本号の作品10句。
野を焼きてかれの一句に敵対す
あつまれば昔のやうに野焼かな
石鹸玉吾子にも恋の敵ゐる
顔やせて春日大社に雪のひま
かのひとの子を抱きてをる雪間かな
あたたかや触れて大きく子の机
擱筆はものの芽を見とどけてから
巻貝に蓋あるあはれ朧なり
海中もその頃ならむ鳥の恋
壺焼を食べ再会を約しけり
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photo by Tenki SAIBARA
【空へゆく階段】№66 解題
対中いずみ
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