2022-05-22

後記+プロフィール787

 記 ◆ 岡田由季

先週は、第13回田中裕明賞、第六回芝不器男俳句新人賞と、大きな俳句の賞の発表が続きました。

田中裕明賞は相子智恵句集『呼応』に決定。相子さん、おめでとうございます。

言うまでもなく、週刊俳句としては、相子智恵さんには、ウラハイ「月曜日の一句」で、長い間お世話になっています。今回ノミネートされたご自分以外の8句集のうち、7句集を既に「月曜日の一句」でとりあげられていたとのこと、改めて感銘を受けました。今後、相子さんご自身の作品が、さらに多くの方に読まれるようになるであろうこと、大変うれしく思っています。


芝不器男賞は、田中泥炭さんの作品に。おめでとうございます。田中泥炭(ぴーと)さんは、週俳では2020年の第704号にご登場いただいています。

SNSの俳句界隈を眺めると、芝不器男賞の選考過程とその中継zoomについていくつか問題点の指摘があったようです。実際に視聴していたけわけではないので事実はわかりませんが、もし不適切なことがあれば明らかにされることを望みます。他の新人賞でも問題が明らかになり、改善した場合もあるので、そうなることを期待します。

今回に限らず、俳句の賞の選考会の終盤、消去法や多数決によって受賞作が決定される過程で、なんとなくもやもやの残ること、あります。私も心当たりが多々あり、特に自分が当事者のときには、決定が性急であったり理由が納得できないと強く感じたりもしました(人間なので)。

しかし候補作になって落選した場合も、様々な反応をいただき、結局は良いことの方が多かったです。それならば応募しなければ損、くらいの楽観的な参加の仕方が心の平安にはよいのでは、というのが個人的な思いです。

そしてもちろんのこと、俳句と関わる方法はいろいろあり、賞はそのほんの一部ですよね。
 

それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。


no.787/2022-5-21 profile 
■対中いずみ たいなか・いずみ
1956年生まれ。田中裕明に師事。第20回俳句研究賞受賞。句集に『冬菫』『巣箱』『水瓶』(第68回滋賀文学祭文芸出版賞、第7回星野立子賞)。「静かな場所」代表、「秋草」会員。
 
■中嶋憲武 なかじま・のりたけ 
1960年生まれ。「炎環」「豆の木」2013年週俳eブックス「日曜のサンデー」2018年 第四回攝津幸彦記念賞・優秀賞受賞。2019年 第0句集「祝日たちのために(港の人)」山岸由佳とのコラボレーションによるwebサイト「とれもろ」https://toremoro.sakura.ne.jp
 
■西原天気 さいばら・てんき1955年生まれ。句集に『人名句集チャーリーさん』(2005年・私家版)、『けむり』(2011年10月・西田書店)。笠井亞子と『はがきハイク』を不定期刊行。ブログ「俳句的日常」 twitter

■岡田由季 おかだ・ゆき
1966年生まれ。「炎環」同人。「豆の木」「ユプシロン」参加。句集『犬の眉』(2014年・現代俳句協会)。第67回角川俳句賞。ブログ 「道草俳句日記」


0 comments: