2022-05-22

【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】上松美香「コーヒールンバ」

【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
上松美香「コーヒールンバ」


天気●コーヒー、憲武さんも好きですよね。

憲武●好きですねぇ。一日三杯はいただいてます。

天気●自分で淹れてます? ふだん。

憲武●自分で淹れてます。挽かずにフィルターペーパーで濾すだけの簡単な淹れ方ですけどね。

天気●子供の頃、うちはインスタントコーヒーばかりで、朝はそれとパンというのが多かったんですが、あるとき、小学校のときだったと思いますが、お歳暮かなにかでドリップコーヒーが届いたんです。いわゆるホントのコーヒーをそのとき初めて飲んだんです。すると、まあ、美味しくてね。ガキのくせにブラックだったと思います。それまで味わったことのない不思議な美味しさで。で、その次に飲むのは、中学生になって、街の喫茶店。以来、外でも家でも飲んできましたが、あの生まれて初めて味わったコーヒーを上回る体験はないような気がします。憲武さんは初コーヒー体験、憶えてますか。

憲武●幼稚園の頃なんですけど、顔はまったく覚えてませんが友だちの家で、インスタントコーヒーをご馳走になって、ブラックですよ。砂糖も何も入ってない。良心の呵責に耐えながらテレビで、「ベン・ケーシー」の再放送か、「ヒッチコック劇場」だったか白黒の外国ドラマ見ながら友だちと「ネスカフェ」とか言いながら飲んでましたら、叔母が迎えに来て、「こらっ」という表情をされたんです。ウチではコーヒーはツノが生えてくると言われてて、飲ませてくれなかったんです。それが初コーヒー体験ですね。

天気●ツノ! 鬼という発想ですかね? 

憲武●鬼ですかね? 牛? よくわかりませんが、コーヒーは子供には毒と考えていたようです。カフェインの影響を考慮してたんでしょうか。それならコーラ、チョコレートなど子供の好きそうなものに含まれているんで、なぜコーヒーが禁止だったのかわかりません。

天気●私たちだと、インスタントコーヒー、あの粉末をお湯で溶くやつが、まず先にあったんですよね。というわけで、「コーヒールンバ」を、上松美香という人の演奏で。こちらはホンモノのコーヒーの感じです。

 

天気●「コーヒールンバ」といえば、日本ではなんといっても西田佐知子の歌唱(1961年)が有名。もともとは南米の曲で、原曲「Moliendo café」はベネズエラのホセ・マンソ・ペローニが1958に作曲だそうです。加湿器、もとい歌詞付きもいいのですが、この演奏、なんか、響きが気持ちよくて、こちらを取り上げました。

憲武●この音色、とてもいいですね。「コーヒールンバ」は子供の頃から好きな曲です。

天気●弾いてるのは、アルパというラテンハープ。ハープとどう違うのかわかりません。harpのラテン読みということで、同じかもしれない。

憲武●その辺はまったくわかりません。

天気●だんだんと夏に近づいて、気持ちもラテン・ミュージックな感じになってきましたし、コーヒーでも淹れて、気分を高めたいところです。


(最終回まで、あと760夜)

0 comments: