2022-12-25

週刊俳句2022年アンソロジー  21名21句

週刊俳句2022年アンソロジー 
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蜜柑並ぶと寂しい姉と町に出て  佐藤智子  第769号 

眠らむとして動くはらわた霜の声  大室ゆらぎ  第770号 

サイドミラーに細きつららや落ちずゆく  野崎海芋  第771号

橙は黒ずむ傷の硬さかな  工藤吹  第772号

春の日の枝にかかりて傾ける   阪西敦子  第773号 

夜が手を見せて戦場から電話  山口優夢  第785号

服を着て佇てり〈準備中〉の檻の前  山田耕司  第788号

疑へば疑ひ合へり梅雨の薔薇  津髙里永子  第792号 

裸子の髪の根ふかく梳かしやる  森賀まり  第793号 

蠅の如沸き起こり来るバイクかな  杉原祐之  第795号

黒揚羽ひらりと来たり殉教碑  広渡敬雄  第801号

てつぺんはいくつもあつて青とんぼ  野口る理  第805号

煮凝や外見えてゐる換気扇  日向美菜  第813号

やわらかくゆがかれている寒さです  藤田哲史  第814号

裏口が開いてすぐの蝮かな  クズウジュンイチ  第814号

露の世のガードレールの凹みかな  矢口晃  第815号

北口が徐々に廃れて鯛焼屋  ⼤塚凱  第815号

風邪を引きさうな顔して帰りけり  斉藤志歩  第815号

一日中蚊に食はれたるやうな空  青島玄武  第816号

みしみしと土龍に響く霜柱  ハードエッジ  第816号

枇杷男の死の何をも知らず暮れなずむ  福田若之  第784号

(福田若之・謹撰)

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