【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
笠置シヅ子「ジャングル・ブギー」
憲武●歌謡曲特集ということで、クリスマスですし、お正月も近いということで、景気のいい曲を。笠置シヅ子「ジャングル・ブギー」。
憲武●はい。いいですね。笠置シヅ子。近藤真彦は「ハイティーン・ブギ」なんですけど、こちらは「ジャングル・ブギー」なんですね。「ブギー」と伸ばす。ここにこだわりがあるようです。
天気●笠置シヅ子は昔からとても好きで、LPを持ってたしCDも買いました。この動画に映ってるジャケットだったかなあ。
憲武●僕はそれCDで持ってると思います。
天気●有名な「東京ブギ」「買い物ブギー」、吉田拓郎がカヴァーした「ホームラン・ブギ」のほかにも好きな歌唱がいっぱいあります。
憲武●この曲は作詞、黒澤明、作曲、服部良一で1948年発売でした。最後が「ギャー」で終わる歌って、なかなかないと思います。
天気●ジャングル=ぎゃー、なわけですね。黒澤明の作詞はめずらしいのでは?
憲武●そうですね。ウィキペディア見たんですけど、歌詞の「骨も溶けるよな恋をした」のところ、最初「腰の抜けるよな恋をした」だったそうですが、笠置シヅ子が「卑猥過ぎて歌えない」と言ったために書き換えたのだとか。面白いですね。性愛感の違いを見るようで。黒澤明の「酔いどれ天使」の中で、「ブギを唄う女」として出演して歌って踊ってますので、見てみましょうか。
憲武●はい。いいですね。表情豊かでスケールが大きい。
天気●いいですよね。実現しないけど想像上の共演として、ブライアン・セッツァーと笠置シヅ子が観たい。
憲武●いやあ、それ観たいですね。AIの技術で出来ないでしょうか。
天気●合成なら出来そうですよ。エルビス・プレスリーとセリーヌ・ディオンのがありますし。笠置シヅ子のとなりで、ブライアン・セッツァーがギターを弾いて歌う。想像しただけでワクワクします。
憲武●そうですね。映画館で見た時、木暮美千代もなかなかだったんですけど、笠置シヅ子の表情とアクションに心鷲掴みされました。笠置シヅ子って、最初見たのはテレビのカネヨンのCMで、カネヨンのおばさんとして見てました。
天気●たしかに、カネヨンのテレビCMがあまりに大きかった。
憲武●そのうち、「東京ブギウギ」や「銀座カンカン娘」を歌ってる人だとわかって来て、CDを買ったりしました。ほとんど服部良一の作曲ですけど、服部良一ってロックを感じますね。この曲のカオスな密林性、痺れます。
天気●笠置シヅ子がいたからこそ、服部良一のモダンでカオスな成分が活かされたのかもですね。
憲武●僕は日劇で笠置シヅ子の全盛期を見てないんですが、タイムスリップ出来るなら、1948年の東京、冬の日劇に行ってみたいですね。
(最終回まで、あと729夜)
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