【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】ジャニス・イアン「ウィル・ユー・ダンス？」

【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】

ジャニス・イアン「ウィル・ユー・ダンス？」

憲武●ジャニスといえば、ジョプリンと、こう来る訳ですが、本日はイアンの方を。ドトール店内でジャニス・イアンの「17才の頃」が比較的よくかかってますが、ジャニス・イアン「ウィル・ユー・ダンス？」です。

 

憲武●落ち着く曲ですね。アルバム「Miracle Row（1977）」に収録されてます。この曲は「岸辺のアルバム」（原作・脚本 山田太一/1977）というドラマの主題歌でしたので、お年を召した方はよくご存知なのではないかと。僕は八千草薫が好きでしたので、観てました。竹脇無我とラブホテルに入るシークエンスにはドキドキした記憶が。

天気●あのドラマ、私は観ていないのですが、のちのドラマ紹介の映像といっしょにこの曲が流れるのでしょうね、テレビで何度も繰り返されて、抜きには聴けないかんじです。

憲武●この曲のタイトルバックに、当時の台風のニュース映像がインサートされてて、多摩川が決壊して、家が丸ごと流されていく白黒の映像、衝撃的でした。アルバムも買ってしまいました。よく聴いてましたね。アルバムは引っ越しの時、処分してしまったのですが、曲はよく覚えてます。

天気●この人のレコード、買ったことなくて、ちゃんと聞いたことがない。でも、当時、巷でさかんに流れていた気がします。

憲武●流れてました。歌詞は、よくわからない歌詞なんです。ジャニス・イアンは曲の最後に歌詞にはない言葉、「stop」と言ってるんですが、これも何の意味か、よくわからないんです。ドラマの内容に沿っている一節は、「Teach your children all the poses/How familiar are we all…」「Take a chance on romance and a big surprise?」って箇所でしょうか。まあ、内容とは関係なく使用されてる感じもありますけどね。

天気●歌詞を見てみると、なるほど、不思議な歌ですね。Someone is dying, panic in the streets♪　不穏だ。

憲武●曲を聴いて思い出す歌手、その頃自分は何をしていたか、などぱーっとリアルに広がって来る曲って、すごいなと思いますし、貴重ですよね。

（最終回まで、あと709夜）