【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
ゴダイゴ「君は恋のチェリー」
憲武●海や山、どこかへ行ってみたい季節です。くれぐれも古ぼけた山荘にはご注意ください。という訳で、ゴダイゴ「君は恋のチェリー(Cherries were made for eating)」。
憲武●この曲は「『ハウス』オリジナルサウンドトラック(1977)」に収録されてます。作詞はH.E.R.Barnes、作曲はミッキー吉野です。「ハウス」というのは、大林宣彦の初の劇場用映画監督作品です。ファンタジックなホラーであり、コメディでもあります。
天気●この映画、未見なんです。この動画を観ると、チープで祝祭的な感じは、のちの長嶺高文『歌姫魔界をゆく』(1980年)や手塚眞『星くず兄弟の伝説』(1985年)に繋がる感じもありますね。また、観てみようと思います。
憲武●ええ、ぜひ。一聴、爽やかな後味の曲で、タケカワユキヒデのボーカルがいいです。ゴダイゴって、当時テレビの劇伴を主にやってて、トランザム、ショーグンなどと同様、テレビドラマのタイトルバックで、名前をよく見かけた印象があります。中でも「西遊記」は有名ですが、全部日本テレビでしたね。
天気●テレビから聴こえるバンド、って感じでした。
憲武●ま、テーマ曲とかやってましたからね。この「君は恋のチェリー」ですが、ワクワクとした曲なんですけど、映画の内容によく合ってる気がしたんですよね。公開当時。
天気●70年代のブリティッシュ・ポップ/ロックってな音やメロディーです。
憲武●家が少女を食う話ですから、ホラーっていう先入観で観に行ったんですが、冒頭から引き込まれてしまって、クンフー役の神保美喜がよくて、神保美喜のための映画なんじゃないかと思いました。
天気●神保美喜! ずいぶんと若い時代なんですね。
憲武●当時、17歳だったんじゃないでしょうか。学生時代、8ミリで自主映画撮ってたんですが、当時の8ミリ少年たちは、といっても今関あきよし、手塚真周辺に限った話かもしれませんけど、「ハウス」はバイブル的な映画で、影響力ありました。ゴダイゴもそうですね。音楽的には。ゴダイゴの「イメージ」って曲をBGMに使ったり。
天気●バイブルなら、ますます観なくちゃ。
憲武●ゴダイゴは、アルバム的には「新創世記」「DEAD END」の頃が一番よくて、今頃の季節になると、思い出したように聴いたりしてます。
(最終回まで、あと699夜)
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