2024-03-24

対中いずみ【解題】「後記」第294号

【解題】「後記」第294号

対中いずみ



吉野と木曾にはよく出かけたようだ。吉野は大峯あきらさん、青蛙さんのご縁であり、木曾は宇佐美魚目さんの縄張りであった。吉川でははりまだいすけさんにお世話になるようだ。爽波のみならず、「青」の先達に可愛がられていたがきの会である。

294号では雑詠欄に6句が掲載されている。

滝の水汲み夕暮の鍬はじめ

大寒の松葉の尖の剪られあり

探梅や幹に鎖を巻きありぬ

酒造る家に寒鮒届きあり

藪入の降りつのりつつ池ぬくし

探梅に浜の焚火の煙黒し

(太字は第一句集『山信』に収められている。「滝の水」には、「吉野」と前書きが付されている)

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