2024-05-12

10句作品 楠本奇蹄 白髪

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楠本奇蹄 白髪

山賊の歌の底より浮いてこい

ニセアカシア鏡の父は固結び

父親ごつこ新緑の手を摑むたびに

ナナハンに雨夜の匂ふ背や薄暑

沈黙は金なりバナナに種の不在

ぎこちなく麦酒に獣崩るるを

酔へば海訛りひろがる夜の涼し

河鹿啼くうつすら苦きアーモンド

父の余白みたいな白髪抜く梅雨入

花樗くちに口笛透けるまで

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