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(これは前書ではない)ひかれた線がみえたとき、ぼくはそこが砂場であることに気づかなかった。足でこするうちに、消えてしまい、そこではじめて砂場であったことに気づいた。が、実のところそこは砂場でさえなかった。それは白い砂の敷き詰められた、丘への長い道で、丘の上にはシェーンブルン宮殿とウィーン盆地を望む眺望台があった。盆地とは起伏に突如あらわれた面のことをいう。面はその内部においても動いていた。凪に思えた寒林には突風の吹く場所があった。Windig,windig...
ふるえるか。書けば春夜の水面あり
劇のまなかをしろい灯火ら萌えてゆく
ステンドグラスを割りうみを漏らすな
ゆるやかに回転しつつ庭が咲く
チューリップ持ち雑踏のトラムぬけ
遠くよばれて離宮の門が灼ける
うつむけばペルソナに木の洞うかぶ
宙に吊るひとつの逆説の運河(だ)
エジプトがくらがりを来てさえずっている
回転扉よりおもむろに日浴びする
臉をうつ硬水育ちらしく風
炉の影が雫の中をたぶらかす
Grüß Gott, Grüß Gottひたき堕ち
高木の口語に風の拍がする
みず巡る接吻もみずあさくあり
合図なくたおれて鹿は孕んでいた
玉ねぎ焦がしてきっととりのゆめだ
天球を腹に匿い泳ぎだす
ふらん、せ、得、ずに野を遊ぶ有神論
造形を馬二匹駆け微風あり
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