【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】
AKIKO YANO TRIO「RYDEEN」
憲武●このところ、こちらで「ラーメン食べたい」と口癖のようになってしまいました。「ラーメン食べたい」と言えば矢野顕子に「ラーメンたべたい」というすごくいい曲があります。それをお薦めしようかと思いましたが、それはもう少し取っておいて、今回はこちらです。AKIKO YANO TRIO featuring Will Lee & Chris Parker「RYDEEN」。
憲武●先週4日にアップされたばかりの新鮮な映像です。いや、これね、youtube開いたらいきなり飛び込んで来たもんで。今年の8月31日から4日間、ブルーノート東京で行われたライブの映像です。なんかこう、この3人に他の3人が憑依しているようなライブです。
天気●イタコ?
憲武●イタコ性は微妙に感じられますね。矢野顕子。ウィル・リーはいろんなアーティストのアルバムで、ちょくちょく目にしている名前です。
天気●いわゆるスタジオ・ミュージシャンですが、ジョン・トロペイというギタリストのライヴ・アルバム『Live at Mikell's』(1982)での演奏が、個人的には印象に残っています。
憲武●クリス・パーカーはスタッフのドラマーですね。その当時はクリストファー・パーカーとクレジットされてました。
天気●スティーヴ・ガッドとツインドラムしてた人ですね。この人も、フュージョン系、AOR系のクレジットでしょっちゅう目にした名前。
憲武●ウィル・リーは高橋幸宏、坂本龍一と同い年なんですね。1952年生まれ。クリス・パーカーは1950年生まれ。三人の中では最年長です。矢野顕子は1955年ですので、信じられないことかもしれませんが、みなさんセブンティーズです。
天気●70代! なんかすごいものがありますが、80年代に活躍したミュージシャンはたいてい70歳を超えている。とくにスタジオやライヴサポート分野の人たちは、人気の消長に左右されず、いわゆる「腕」があれば、長く晴れ舞台に残る。
憲武●このライブはなんかこう、泣けてくるものがありますね。デビューの頃のYMOとか、いろいろと思い出しますし。グリークシアターのライブでの「ライディーン」ももちろんですね。はい。
天気●んんと、ここまで話を聴いておいて、言いにくいんですが、この「ライディーン」って曲、きらいなんです。これには理由があって、この曲が発売された1980年のすぐあとだったか、某商業施設のオープン前の仕事にちょっと関わって、オープン準備の数日間、一日中、この曲が繰り返し流れる。ほんと、一日中、この曲だけなんです。さすがにもう嘔吐感。そんな個人的な、なおかつ非音楽的な理由があって。もうこれは生理の問題なので、だから、すみません、今回も数秒しか聴いていません。
憲武●あっ! その話! 前に聞いたことあります。
天気●リアルの雑談で話したかもしれませんね。
憲武●するってえと、「ライディーン」2回めなんでしょうか。
天気●YMOは何回か登場してるけど、この曲は初めてじゃないかと思います。
憲武●一日中で数日間って、ほとんど拷問ですよね。えーとこのライブ、特筆すべきは2:32あたりの馬の駆ける音響、サンプリングなんでしょうか、それと3:28あたりのなつかしの間奏ですね。矢野顕子が坂本龍一のパートを弾いてるところが素晴らしい。
天気●聴き込んだ人の聴き方ですね。
憲武●いや、バージョン違いとか見つけちゃうとつい聴いちゃうんですよね。あっ、すみません。気をつけます。2回めは無いです。
(最終回まで、あと583夜)
0 comments:
コメントを投稿