2026-01-11

【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】地磁卡 Dizkar「All The Time」

【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】
地磁卡 Dizkar「All The Time」


天気●70年代ソウルのファンは世界中にそれそこ無数にいるわけですが、今回は、中国雲南省出身の地磁卡(Dizkar)という人、ディズカル? どう読むのかわかりませんが、ともかく、「All The Time」という曲を。


天気●こういう音、無条件に愉しくて。まあ、これは個人的な趣味に過ぎないんですが。とくに凝ったところもなく、懐かしく美味しいところを押さえて、いわゆるゴキゲンな出来上がりです。

憲武●これはもう文句なく楽しめます。

天気●楽曲的には、特徴がないといえばないんですが、2分50秒あたりからのスロー/メローな歌いまわしが東アジア的というか、黒っぽさから出自に回帰する。

憲武●はい。なんかこうチャイナタウンの裏町を歩いている雰囲気です。

天気●お顔が、例えば韓国の男性アイドルとはかけ離れて、ずいぶんと親しみが持てますし、この動画の美術面でも、あの頃の場末のディスコ風。日本人の私としても、妙な親近感が湧きます。

憲武●美術は、いい意味でのキッチュといいますか、チープな感じがいいです。

天気●ところで、中国とわが国とは、昨年来、なかなかな緊張状態ですが、この人、雲南省ですから、北京とは遠い。私たち日本国の庶民が、永田町/霞が関から遠く暮らしていると同じで(ワシントン/ホワイトハウスに縁のない米国人もいれば、モスクワ/クレムリンなど知ったこっちゃないロシア人もいる)。この人たち、たんに、50年前の米国ソウルを懐かしんでみたという感じなのだろうと思います。とはいえ、この懐旧は、彼らによって虚構。50年前はかろうじてまだ文化大革命が続いていたわけですから。

憲武●こういう動画を観ていると、今更ですが中国もずいぶん変わったなという印象を受けます。行ったことがないので、実感としてどう映るかはわかりませんが。

天気●お顔が、例えば韓国の男性アイドルとはかけ離れて、ずいぶんと親しみが持てますし、この動画の美術面でも、あの頃の場末のディスコ風。ポップ音楽は、流行り廃りが激しいようで、半面、同じものがいつまで経っても繰り返される。セイム・オールド・ソング、セイム・オールド・ストーリーなわけです。今年も変わらず、心身ともにまあまあ健やかに過ごしたいです。

(最終回まで、あと580夜)

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