〔榊陽子の川柳を100句掲げるまでやめないリレー〕
ぼくの妖精
西原天気
007
公園に死すべしぼへみあんすべし 榊陽子
〈名詞+する〉はごく一般的な日本語の用法(例:料理する)。人にまつわる語も同様(例:公務員してます)。ボヘミアンしてたら公園で死んじゃうこともあるだろう。意味了解性は「高」。よくわかる句です。
「すべし」「すべし」と命令してくるところがこの句の魅力でしょうか。対句効果と相俟って快調な語り口です。
なお、葛城ユキ「ボヘミアン」(1983年)はカタカナ表記でしたが、「ぼへみあん」がむしろ歌謡曲みが強い気がします。
008
流し台にあるいい銃悪い銃 榊陽子
ためらいも力みもなく、言葉で常識の範囲を軽々とはぐらかしていく。あっさりと表現しているようなふりをしながら、さりげなく大きなものに立ち向かっている。よく見える目で冷静に鋭く、そしてしたたかに世界を見ている。深い批判精神がある。 樋口由紀子
009
次の日の水着取り出す時ぬくい 榊陽子
「ぬくい」は「あたたかい」とは違う。ひょっとしたら関西ローカルな語彙かもしれない(「ぬくぬくと」は標準的)。
『川柳カード』第7号
010
ねえムーミン 酢豚はぼくの妖精だ 榊陽子
これ、メモにあった。最高なんだけど、出所不明。教えて、陽子さん。
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