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2026-09-27

八上桐子〔榊陽子の川柳を100句掲げるまでやめないリレー〕はっ、呪い?

〔榊陽子の川柳を100句掲げるまでやめないリレー〕
はっ、呪い?

八上桐子


001
くれぐれもお体紫陽花下さいね  榊陽子

「くれぐれもお体ご自愛下さい」という慣用句の「ご自愛」が「紫陽花」にすり替えられても、言われた方は案外気づかないかもしれない。

で、「紫陽花下さい」って、どういうこと?

雨に濡れた紫陽花は、しっとりした皮膚の質感に似ていなくもない。
紫陽花のように潤っていてくださいねという、心遣い?
いや待てよ…、紫陽花の青や紫は痣ぽくもある。……はっ、呪い?

そういえば紫陽花って、ああ見えて毒がありましたね。
「うみの会」2020年7月

002
白雪姫開けて 冷凍コロッケよ  榊陽子
「うみの会」2023年12月
003
見えそうで見えない五人目の家族  榊陽子
「うみの会」2018年5月
004
ペンネを刺した、誰でもよかった  榊陽子
「うみの会」2024年12月
005
終わらない世界たち おやすみ処置歯  榊陽子
「うみの会」2017年11月

西原天気 榊陽子の川柳を100句掲げるまでやめないリレー・前口上

榊陽子の川柳を100句掲げるまでやめないリレー・前口上

西原天気


「この人の句をもっと読みたい」と思ったとき、私たちはどんな行動をとるのか。句集があれば、それを読む。では、句集がない場合は?

柳人・俳人にかかわらず、句集のない人は多い。句集の有無と魅力の有無は無関係です。

榊陽子には、まだ句集がありません。作家単位のアンソロジー『はじめまして川柳』(2020年/書肆侃侃房/小池正博編)は榊陽子句を76句収録。いまのところ比較的入手が容易でまとめて読むことができるのは、これでしょう。でも、ほかにもたくさんあるはず。消息を把握しているわけではありませんが、同人誌・個人誌で定期的に発表されている模様です。

そこで、そうしたいわゆる「このままでは散在するだけの」「いずれは散逸してしまうかもしれない」句群から、読者たる有志(榊陽子同好会)がサルベージしていこうというのが、当企画です。

句を並べるだけのときもあれば、いわゆる句評を添えるときもある。長大な作家論が出現する可能性もないではない。ともかく気ままに、100句をめざします。

なお、原則として、前述の『はじめまして川柳』所収の76句は除き、また100句という数字上、句の重複は避けますが、これらはあくまで原則。「原則破り」はアリとします。

では、ぼちぼち行きましょうか。