俳句甲子園出身者が読む「週刊俳句新年詠(下)」
選;竹岡佐緒理 , 服部美加里&大紫 編集;佐藤文香
俳句甲子園に出た、俳句は好きで大学に入ってからも作っている(作っていた)が、たとえば「ブログで発信しよう!」とか、「結社に入ろう!」というわけではない、そういう人たちがたくさんいる。大抵の場合、そういう人たちは難しいのは嫌だし、評論を書きたいとも読みたいとも思わない。でも、俳句は好きなのである。
今回、「週刊俳句新年詠(下)」を読んでもらった3人が、果たして全く上記の通りであるかはわからない。ただし、3人とも俳句甲子園出身で、今も俳句が好きであることは確かである。
作者名を伏せたものを選んでもらい、簡単な選評を付けてもらった。3人ともが選んだ句はなかったため、2点句と1点句に分けて、選評を掲載した。
【無記名点盛り表】 ≫見る
【2点句】 ≫読む
【1点句】 ≫読む
【まとめ】
2点句については、私の意見も併せて掲載した。
全体に、句からストーリーや景色が見えるものが好まれるような印象を受けた。3人の選句は、俳人以外が読む「週刊俳句新年詠(上)」の読み手の中で言えば、
3. ゆーき(院生、文学系)→行動への共感や納得ができるものを好む
に近いように思われる。要するに、突飛でない、わかりやすい。ただし、選評は整っている。
私は、読み手としての「俳句甲子園出身者」に期待している。俳句甲子園は、もちろん俳句を作り発表する場だが、即座に句を理解し、その良さを読み取り、それを自分の言葉で、端的に表現することを強いられる場でもあるからだ。
ところで、俳句甲子園出身且つ俳句好きの我々・彼らの最大の特徴は、「普通の文学少年・少女でないこと」だ(もちろん文学少年・少女もいる)。例えば、今回選句をしてくれた3人のうちの1人である竹岡佐緒理は、なんとホノルルマラソンを完走した。マラソンを完走した人間というのは、普通の社会生活で十分評価され得る(角川俳句賞を受賞した、と言うよりかっちょいいだろう)。その女の子が俳句も作るとしたらどうだろう?その女の子が、俳句を知らない人と同じレベルの感覚で、俳句の面白さを語るとしたらどうだろう?
だからもっと、彼らは「評すること」から自由になっていいのだ。今ちょっと俳句雑誌に連載している俳人よりは、かっちょよくなれる可能性が高い彼らが、「いいじゃん!」と言う俳句にこそ、未来があるのではないだろうか。
選句対象が新年詠だったこと(新年の俳句って、あんまり面白くないよね)、私が「2〜3文の選評」と言ったのが悪かったのかもしれない。ごめんなさい。
こういう選評が、いいじゃん。
番外選
21ひかへ居らう吾輩は伊勢海老である
ははああ!(美加里)
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2009-02-01
俳句甲子園出身者が読む「週刊俳句新年詠(下)」
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