2013-05-19

【週俳4月の俳句を読む】対中いずみ so cute!

【週俳4月の俳句を読む】
so cute!

対中いずみ


嫁がゐて四月で全く言ふことなし  西村麒麟

よく晴れた四月のある日、ふと「言ふことなし」と思う一瞬がある。

あたたかくてお日様が気持ちよくて、ただそれだけで「言ふことなし」と思う時がある。

何だか猫みたいな気分だ。

そこに「嫁」がいるなら、もはや「全く」「言ふことなし」だ。

ついこのあいだまで恋人だった人がいまや確かに「嫁」なのだ。

「嫁」という言葉がこんなに誇らしげにキュートに使われるとは、知らなかった。

東京を離れずに見る桜かな  西村麒麟

新婚旅行に海外へ行こうと思っていたのが、仕事の都合で流れたとか。嫁の実家か、自分の故郷に帰るつもりでいたのが帰りそびれた、とか。

ともかく東京以外のどこかの地を思っている。

だから、この句はちょっと寂しい。

それは作者の気分がちょっと寂しいからだけれど、もしかしたら、「東京」という言葉も、「桜」という花も、ほんとうはちょっと寂しいものなのかもしれない。

第311号 2013年4月7日
外山一機 上毛かるたのうた  ≫読む

第312号 2013年4月14日 
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第313号2013年4 月21日
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