「週俳の2013年」回顧
〔2〕五月~八月:第315号~第331号 ……上田信治
5月5日の第315号は、連休仕様で記事少なめののんびり号。篠さんの後記がいいかんじです。
第316号 の10句作品は菊田一平さ
ん。澤田和弥さんの、「寺山」愛にあふれた論考「父還せ 寺山修司「五月の鷹」考」、松本てふこさんの「強くもなく弱くもない曖昧な存在として小豆澤裕子
句集『右目』を読む」。小川楓子さんが上越人ハーフであることが分かったり、「歳時記通信」の前田霧人さんが豊里友行の10句を、沖縄における歳時記的事象をふまえつつ読んで下さったり。
第317号では、外山一機さんのpdf版句集『平成』ならびに、『御遊戯』へのリンクがトピック。10句作品は金中かりんさん。 対中いずみさんが、西村麒麟さんの句を読んでいたり。小池康生さんが「猫苦手」を告白していたり。
第318号の10句は、今年大活躍の金原まさ子さん。山口優夢さんの沖縄旅行記(だいぶ以前、ロシアに卒業旅行に行った、元俳句甲子園組のメンツです)。さいきんの刊行物から、松本てふこさんが『東大俳句』を、小津夜景さんが「『塵風』『はがきハイク』『豆の木』を読んでいます。
第319号の10句は、閒村俊一さん。夢の記述とも旅行記ともいえる美しいテキスト「六月一日の夢 / 長崎編」は玉簾さん。
第320号の10句は、石井薔子さん。「俳句を読む」は、今年レギュラーでご登場いただいた瀬戸正洋さん(年末に句文集『B』を上梓)と上田です。あ、この週、上田は、後記を書くのを忘れました。
第321号 の10句は、秦夕美さん。山田耕司さんの金原まさ子句読解が、よみごたえ。西原天気さんの「真説温泉あんま芸者」は句会について。
第322号の10句作品は、永末恵子さん(いいでしょう、このへんのラインナップ)。山田露結さんの『ホームスウィートホーム』を関悦史さんが「ほとんど全てが、着ること、まとうことと身体との関係によって成り立っている」と述べ読み解いていきます。
第323号の10句は飯田冬眞さん。上田の時評は、筑紫磐井さんの時評集について。宮本佳世乃さんの『鳥飛ぶ仕組み』を三島ゆかりが、大石雄鬼さんの『だぶだぶの服』をこしのゆみこさんが、それぞれ鑑賞。
第324号の10句は、マイマイさん。天真爛漫な詠みぶり、印象にのこっています。この号より、馬場古戸暢さんの連載「自由律俳句を読む」が開始。石田郷子ライン小津夜景さんが外山一機句集『平成』を、西原天気さんが今井肖子句集『花もまた』を読みます。
第325号の10句は小野富美子さんと岸本尚毅さん。岸本さんのタイトル、「ちょび髭」って。澤田和弥句集『革命前夜』を、山田露結さんと西原天気さんが読み、三島ゆかりさんが『都市の樹木433』という、さりげないたたずまいなのにひどく可笑しい本を紹介しています。後記では、天気さんが「あまちゃん」に言及。
第326号の10句は、藤幹子さんとぺぺ女さん。この組み合わせだけで、分かる人には分かる面白さです。三宅やよいさんによる長澤奏子さんの追悼記事。後記を読んで思いだしたのですが、この日は参議院選挙の投票日。あの日から、今日のなににつながっているという。
第327号の10句は、鳥居真里子さんと、ことりさんと「とり」並び。小特集「俳句の「音」」、いろいろな角度から俳句の音韻、リズムについて考えますが、とりわけ鴇田智哉インタビュー「ボヤンの在り処」は、将来、鴇田論を書く人には必読。
第328号の10句は、彌榮浩樹さん。今号と次号で、本誌上田と村田篠が、『俳句』2013年8月号「希望の星たち 新世代作品特集」掲載の14人の作品を読んでいきます(前編)(後編)。そして長期連載「林田紀音夫全句集拾読」の野口裕さんが「林田紀音夫句集余談雑談」と題したメモワール「計算機器」を執筆。
第329号10句作品欄に、鴇田智哉さん、村上鞆彦さんとゴージャス。種々さまざまな紀行が載ることも本誌の特徴ですが、「いわきへ」は宮本佳世乃さんによる津波被害の海岸地域、再訪。
第330号の10句は、井口吾郎さんの回文俳句。近恵さんの「気仙沼紀行」。「感覚をあやつる」は、今泉礼奈さんの現俳協青年部勉強会「俳句ヴァーサス」レポート。藤幹子さんによる金原まさ子エッセイ、レビューも。
第331号の10句は、久保純夫さん。山田耕司さんの「時評」は、斉田仁さん、高橋修宏さん、志賀康さんという濃いメンツの句集評。「気仙沼紀行」後編は、俳句大会参加メンバーによるコメント寄稿多数。
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2013-12-29
「週俳の2013年」回顧 〔2〕五月~八月
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