2013-12-29

「週俳の2013年」回顧 〔2〕五月~八月

「週俳の2013年」回顧
〔2〕五月~八月:第315号~第331号 ……上田信治

 


5月5日の第315号は、連休仕様で記事少なめののんびり号。篠さんの後記がいいかんじです。

第316号 の10句作品は菊田一平さ ん。澤田和弥さんの、「寺山」愛にあふれた論考「父還せ 寺山修司「五月の鷹」考」、松本てふこさんの「強くもなく弱くもない曖昧な存在として小豆澤裕子 句集『右目』を読む」。小川楓子さんが上越人ハーフであることが分かったり、「歳時記通信」の前田霧人さんが豊里友行の10句を、沖縄における歳時記的事象をふまえつつ読んで下さったり。

第317号では、外山一機さんのpdf版句集『平成』ならびに、『御遊戯』へのリンクがトピック。10句作品は金中かりんさん。 対中いずみさんが、西村麒麟さんの句を読んでいたり。小池康生さんが「猫苦手」を告白していたり。

第318号の10句は、今年大活躍の金原まさ子さん。山口優夢さんの沖縄旅行記(だいぶ以前、ロシアに卒業旅行に行った、元俳句甲子園組のメンツです)。さいきんの刊行物から、松本てふこさんが『東大俳句』を、小津夜景さんが「『塵風』『はがきハイク』『豆の木』を読んでいます。

第319号の10句は、閒村俊一さん。夢の記述とも旅行記ともいえる美しいテキスト「六月一日の夢 / 長崎編」は玉簾さん。

第320号の10句は、石井薔子さん。「俳句を読む」は、今年レギュラーでご登場いただいた瀬戸正洋さん(年末に句文集『B』を上梓)と上田です。あ、この週、上田は、後記を書くのを忘れました。

第321号 の10句は、秦夕美さん。山田耕司さんの金原まさ子句読解が、よみごたえ。西原天気さんの「真説温泉あんま芸者」は句会について。

第322号の10句作品は、永末恵子さん(いいでしょう、このへんのラインナップ)。山田露結さんの『ホームスウィートホーム』を関悦史さんが「ほとんど全てが、着ること、まとうことと身体との関係によって成り立っている」と述べ読み解いていきます。

第323号の10句は飯田冬眞さん。上田の時評は、筑紫磐井さんの時評集について。宮本佳世乃さんの『鳥飛ぶ仕組み』を三島ゆかりが、大石雄鬼さんの『だぶだぶの服』をこしのゆみこさんが、それぞれ鑑賞。

第324号の10句は、マイマイさん。天真爛漫な詠みぶり、印象にのこっています。この号より、馬場古戸暢さんの連載「自由律俳句を読む」が開始。石田郷子ライン小津夜景さんが外山一機句集『平成』を、西原天気さんが今井肖子句集『花もまた』を読みます。

第325号の10句は小野富美子さんと岸本尚毅さん。岸本さんのタイトル、「ちょび髭」って。澤田和弥句集『革命前夜』を、山田露結さんと西原天気さんが読み、三島ゆかりさんが『都市の樹木433』という、さりげないたたずまいなのにひどく可笑しい本を紹介しています。後記では、天気さんが「あまちゃん」に言及。

第326号の10句は、藤幹子さんとぺぺ女さん。この組み合わせだけで、分かる人には分かる面白さです。三宅やよいさんによる長澤奏子さんの追悼記事後記を読んで思いだしたのですが、この日は参議院選挙の投票日。あの日から、今日のなににつながっているという。

第327号の10句は、鳥居真里子さんと、ことりさんと「とり」並び。小特集「俳句の「音」」、いろいろな角度から俳句の音韻、リズムについて考えますが、とりわけ鴇田智哉インタビュー「ボヤンの在り処」は、将来、鴇田論を書く人には必読。

第328号の10句は、彌榮浩樹さん。今号と次号で、本誌上田と村田篠が、『俳句』2013年8月号「希望の星たち 新世代作品特集」掲載の14人の作品を読んでいきます(前編)(後編)。そして長期連載「林田紀音夫全句集拾読」の野口裕さんが「林田紀音夫句集余談雑談」と題したメモワール「計算機器」を執筆。

第329号10句作品欄に、鴇田智哉さん、村上鞆彦さんとゴージャス。種々さまざまな紀行が載ることも本誌の特徴ですが、「いわきへ」は宮本佳世乃さんによる津波被害の海岸地域、再訪

第330号の10句は、井口吾郎さんの回文俳句。近恵さんの「気仙沼紀行」「感覚をあやつる」は、今泉礼奈さんの現俳協青年部勉強会「俳句ヴァーサス」レポート。藤幹子さんによる金原まさ子エッセイ、レビューも。

第331号の10句は、久保純夫さん。山田耕司さんの「時評」は、斉田仁さん、高橋修宏さん、志賀康さんという濃いメンツの句集評。「気仙沼紀行」後編は、俳句大会参加メンバーによるコメント寄稿多数。



 

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