中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
第39回 Nulbarich「ain't on the map yet」
天気●Nulbarich(ナルバリッチ)というバンド、大きく括ればR&B。1枚目のアルバムを去年の春か夏あたりにずいぶん聴きました。この3月に2枚目が出るそうで、そのなかから、この曲。
天気●歌詞に英語と日本語が混ざるのはめずらしくないんですが、これはちょっと変わった混ぜ方。カオスっぽく混ざります。
憲武●むかしは日本語を英語っぽく歌ってましたが、最近は英語で歌って日本語が混ざってくるという。suchmosなんかもそうですが。
天気●PVは、内気そうな男の子が教師に抱く恋心。憲武さんは、そんな経験、あります?
憲武●中学の時の美術の先生。フクダ先生です。淡いものでしたが。
天気●歌詞の一部を英語の穴埋めに書いていくところなんか、声に出せない告白として、気の利いた演出です。
憲武●そうですね。普通の平凡な男の子と思ってたら、いきなりダンス。上がりますね。ダンスって。
天気●ファンタジーの中で、ダンスという積極的でアクティブな告白へと転じるところ、グッと来ちゃいましたよ。
憲武●この演出はいいです。終盤、女教師も突然踊りだす。
天気●ここもファンタジー処理。でも、ちょっと現実感も匂わせている。
憲武● そうですね。
天気●4分程の短いなかに、恋とか憧れとか音楽とかダンスの初期衝動のようなものが、キュートに描けている。なつかしいわけではなく、でも、気持ちの奥のほうにたしかに持っているようなもの。なんだかとてもいいなと思ってしまったんですよね。
(最終回まで、あと962夜)
(次回は中嶋憲武の推薦曲)
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