2011-01-09

平井照敏編『新歳時記』(河出文庫)につっこむ(新年)

井照敏 『新歳時記』(河出文庫) っこむ (新年)  

ハイクマシーン(佐藤文香・上田信治)


◯季語についての記述は、すべて平井照敏編『新歳時記(秋)』(河出文庫)より引用。◯カッコ・書体の種類により引用の【季題】「季題解説」〈本意〉 例句 を区別する。◯文字の色や大きさは、引用者によって変更されている。◯※印は、引用者のコメント。



あけましておめでとうございます。
まだ新年でしょうか。



時候
【松過】

「(…)松をとると気がぬけるといい、町は日常の姿に戻るが、しばらくは正月の余韻のようなものがのこる。」
松過の又も光陰矢の如く  高浜虚子

※*のついた「季題の特徴をもっともよくあらわしている」例句が、正月の余韻の残らない一句。


【二十日正月】
「一月二十日のこと。全国で、いろいろな呼び名のもとでおこなわれている節目である。(…)中国地方では麦正月といい、麦畑でころがり、腹や背がわれるほど麦を食べたいととなえる。団子を作って食べる風習も江戸時代からある。(…)」
※中国地方すげえ。となえたことある方、いらっしゃいますか……?



生活
【鏡餅】
神仏に供える円形で扁平の餅である。円い形で鏡に似ているので餅という。正月のお供え餅である。(…)」
鏡餅弁天池の石となれ  阿波野青畝

※ウルトラマンに登場する何かかと思いました。


【年酒】
<新年の祝いの酒なので、祝いの気持だけにすべきもので、酔いつぶれたりすることはその気持に反すること甚だしい。>
※たしかに、酔いつぶれるのはよくない。

馬に逢ひ年酒の酔の発しけり  秋元不死男


【初髪】
「(…)正月仕事はじめに、職場の若い女子社員は、島田・桃割れ・丸髷などに髪を結い、晴着を着て出勤することが多い。

<正月の髪をきれいに結った喜びのあらわれである。女性たちは晴れがましく、嬉しそうである。
※すべては、時の流れのせいです。



行事
【土竜打】
「小正月におこなわれる行事で、土竜が畑をあらすのを防ぐまじないの一つ鳥追い・犬追い・狼追い・獅子追いなどと一連のもので、村の暮らしに害になるものを追いはらうためのもの。九州から東北までおこなわれているが、杵で地面をついてまわったり、肥桶をこすってきいきい言わせたり、唱えごとをしたり、ブリキ罐・金盥の音を立てたり、槌をひいて回ったり、いろいろ威嚇・攻撃がおこなわれる。土竜がおそれるものとして、なまこが全国で使われる。縄でたわしのようなものを作り、ひきずったり、実際のなまこを苞に入れてひきまわしたり、とうらご(なまこ)のお通りだという唱えごとをしたり、いろいろのことをする子供が中心になっておこなわれる。」
※鳥追い・犬追い以外の全てを存じ上げませんでした。日本すげえ。

国分寺よりぞろ\/と土竜打  井上烏三公


【ぼんでん】
<神のより代である幣束をかたどった梵天を競って神社の拝殿に入れて、その年の福をさずかる神事だが、かなりの象徴的なところのある行事である。>
※気になります。



動物
【初鳩】
元日のさわやかな気分で見かける鳩のかわいさ、美しさをいう。>

「初詣でに出かけた神社仏閣などで見かけた鳩をいう。野生の鳩の場合には、きじばと、やまばとが山野で目につきやすく、デデッポーポーと鳴く。」


※鳴き声は変わらないようです。



「平井照敏編『新歳時記』(河出文庫)につっこむ(冬)」につづく。


→平井照敏編『新歳時記』(河出文庫)につっこむ(春)

→平井照敏編『新歳時記』(河出文庫)につっこむ(夏)

→平井照敏編『新歳時記』(河出文庫)につっこむ(秋)

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