新年詠2013-3
初鏡一部始終を透明に 小西瞬夏
連れ合ひに破魔矢持たせて厠かな 小早川忠義
三又の枝毛ぱっかり初御空 小林鮎美
七草のすずなすずしろ鳴りさうな 小林苑を
魂魄のはみ出してゐる雑煮かな 小林千史
仮設住居の住所は長し年賀状 駒木根淳子
しばらくは初日の残像と歩く 近 恵
触れ合へるところ傷みて鏡餅 齋藤朝比古
見渡しておほよそ赤し福袋 西原天気
初句会百五十人集ひけり 酒井俊祐
初鏡紅一本の化粧台 坂石佳音
初凪や漁具新調の一家族 堺谷真人
X線検査機通過す読初の『檸檬』と鍵 榮 猿丸
泣初の子にあをあをと盆の窪 榊 倫代
海光は風のはじまり初詣 阪西敦子
てまりうた臙脂の闇を唄ふべし 嵯峨根鈴子
ステンレス製物干越しを初景色 佐川盟子
茶色い毛糸の帽子に込める今年の耳 佐藤文香
夢呑んで膨らみ凍る蛇の腹 咲良あぽろ
冬眠の長さが自慢おらが春 佐山哲郎
脱がさずに乱すが愉し春着の子 澤田和弥
改札にカードをぴつと初昔 しなだしん
濡れ場より書きはじめたる初明り 柴田千晶
賀状百枚単位ぞ仕切る紙も刷られ 島田牙城
舌先に感冒錠をかぞへけり 清水良郎
護摩札の自分の名前しばし眺むる 白熊左愉
●
2013-01-06
新年詠2013-3 テキスト
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 comments:
コメントを投稿