【週俳3月の俳句を読む】
10句競作を読む
高坂小太郎
実は、今回初めて拝読しました。
週刊俳句がこんなに濃い内容で面白いとは始めて知りました。週刊俳句初心者の感想文をと企画され、俳句“平民”である小生のような下々で暮らす者に、機会を与えていただき、感謝します。編集部の意図に反するかもしれませんが、小生は3月号をこう読ませていただいたという感想をしたためます。
今回の10句競作は、どれも力作ぞろいでした。いいなあと思った句と理由をしたためます。
大賞作者涼野海音さん。
スケール感と転換が見事だと感じました。
如月の雲わかれゆく大欅
春の川覗いてゐたる双子かな
どの句もリズム感が良く大賞の作品という理由がわかりました。
同じく大賞 三浦郁さん。
現代絵画を見るような戸惑いを感じました。よくわかりません。まさに見えぬものです。視点に非凡さを感じました。
準賞 渕上信子さん。
どれも非常に肌感覚の鋭い句と感じました。情景がどれもありありと目に浮かびます。なにか作者のお人柄まで感じてしまうような俳句の個性を感じました。
曇天の梅のをはりの腫れぼったし
ポケットにあたたかなごみ増えにけり
女性らしい日常が、自然に読まれいいですね。
「春水」の前北かおるさん。
同じ季語を並べた一連の作品から、一つのつながりが感じられあたかも水ぬるむ野山を一緒に歩いているような錯覚に陥りました。確かな力量を感じました。
一列になりて歩くや水温む
今村豊さん。
初鏡ファイテイングポーズとってみる
五十嵐義知さん。
切り離す切手の縁の余寒かな
連山の谷ゆるやかに凍てゆるむ
感覚的に好きな句が多いです。
吉野わとすんさん。
はぶらしに水の妖精いつも居る
屈託をバスに積んでる雪国だ
素直に面白い、凄い。どれもこれもキレがある。感服しました。
週刊というのにこのボリュームは凄い。そしてどれも生き生きとしていて、俳句の可能性を学べる紙面です。自分はこれからどんな俳句を作りたいのか、好きなのか、日常の限られた時間で細々と俳句と接している小生のようなものにとって、生きた俳句を圧倒的なボリュームで提供して下さる「週刊俳句」こそはす読みでも、継続したいと感じました。
閑話休題。
第三回週刊俳句「10句競作」結果発表とあり、審査選考ライブを読みました。選考過程がまさにライブでわかり、審査の著名な方々はどういう過程・思考で選考されているのか興味深かったです。スマホで仕事の合間に読みだしましたが、長くて断念。時間がある時にじっくり読むことにしました。
2013-04-14
【週俳3月の俳句を読む】10句競作を読む 高坂小太郎
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