〔今週号の表紙〕
第349号 とんび
西原天気
いま暮らしているあたりに、とんびはいません。
生まれて育ったところでは毎日のように見ました。
小学生のときです。傷ついたのか飛べなくなったとんびが田圃にいました。何人かで教室に運び(野鳥に触ると群に戻れなくなることを知りませんでした。みな好奇心に駆られて)、先生に見つかるといけないので掃除道具入れにそっと置いてやりました。
授業中、私たちは掃除入れの中のとんびが気になってしかたがない。
掃除の時間になり、女子(ホンモノの女子です)が道具入れを開けた。
一瞬間(ま)があって、その子は、「ぎゃー!」「鷹ー!」と叫びながら、職員室に向かって走っていきました。
その背中を見ながら私たち男子は、「鷹やない、とんびや」「あーあ、これだから女は…」と苦笑まじりでため息をついたのでした。
撮影場所:千葉県館山市洲崎。
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