後記 ● 福田若之
今回、柳本々々さんが、野口る理さんの『しやりり』から、「チャーリー・ブラウンの巻き毛」の句を取り上げています。チャーリー・ブラウンは、言わずと知れた『ピーナッツ』の主人公ですね。
柳本さんの鑑賞文のタイトルが、「寿命を与えられたチャーリー・ブラウン或いはスナフキン」。死なないはずのマンガ・アニメのキャラクター的身体が、俳句や短歌の中でどのような身体性を帯びるかをめぐる、興味深い文章です。
ところで、じつはチャーリー・ブラウンとスヌーピーの身体の変遷を示すこんな図版が。これを見ると、「巻き毛」がチャーリー・ブラウンにとってのトレード・マークであることがよく分かります。
最初期のスヌーピーを初めてみたとき、本当にただの犬であることに驚いたのは、僕だけではないはず。この頃のスヌーピーは、見た目も中身も本当にただのビーグル犬です。マンガでも、しゃべりません、踊りません、小屋の上で寝たりしません。それが気づくと宇宙服を着て月に立っているのだから、人生(犬生?)なにがあるのかわかりません。
『ピーナッツ』の仲間たちは確かに死なないのだけれど、それがゆっくり変化していったのは、生身の人間である描き手のチャールズ・M・シュルツがそこにいたからにほかならないのだろう、なんてことを思ったり。
というわけで、ピーナッツ×寿命を与えられた身体(歌詞を参照)、なカバー・ナンバーを。
スナフキンとムーミン谷の住人たちの歴史については、寡聞にして存じ上げず。今度しらべてみます。
●
それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。
no.388/2014-9-28 profile
■中山宙虫 なかやま・そらん
1955年大分県生まれ。ずっと九州で生きている。俳句は1999年より。現代俳句協会会員。九州俳句作家協会会員。「麦」「霏霏」同人。ブログ「おじさん(Age.51)日記」
■岡田由季 おかだ・ゆき
1966年生まれ。東京出身、大阪在住。「炎環」「豆の木」所属。2007年第一回週刊俳句賞受賞。句集『犬の眉』(2014年・現代俳句協会)。
ブログ「ブレンハイムスポットあるいは道草俳句日記」
■太田うさぎ おおた・うさぎ
1963年東京生まれ。「豆の木」「雷魚」会員。現代俳句協会会員。共著に『俳コレ』(2011年、邑書林)。
■上野葉月 うえの・はづき
豆の木、THC、金曜句会、ブログ「葉月のスキズキ」
■柳本々々 やぎもと・もともと
かばん、おかじょうき所属。東京在住。ブログ「あとがき全集。」http://yagimotomotomoto.blog.fc2.com
■三島ゆかり みしま・ゆかり
俳人。1994年より作句。 http://misimisi2.blogspot.com/
■橋本 直 はしもと・すなお
1967年生。「豈」同人、「鬼」会員。「俳句の創作と研究のホームページ」
■馬場古戸暢 ばば・ことのぶ
1983年生まれ。自由律俳句(随句)結社「草原」同人。
■西村麒麟 にしむら・きりん
1983年生れ、「古志」所属。 句集『鶉』(2013・私家版)。第4回芝不器男俳句新人賞大石悦子奨励賞、第5回田中裕明賞(ともに2014)を受賞。
■西原天気 さいばら・てんき
1955年生まれ。「月天」同人。句集に『人名句集チャーリーさん』(2005年・私家版)、『けむり』(2011年10月・西田書店)。ブログ「俳句的日常」 twitter
■福田若之 ふくだ・わかゆき 1991年東京生まれ。「群青」、「ku+」に参加。共著『俳コレ』。現在、マイナビブックス「ことばのかたち」 にて、「塔は崩れ去った」連載中(火曜日更新)。
0 comments:
コメントを投稿