【ライナーノーツ】
呻く。降っても、晴れても。
小津夜景
「週刊俳句」が第400号。この記念号に合わせ、柳本々々&小津夜景でリーディング・セッションを試みました。
「A面B面」スタイルと「デリダを主旋律に」というのは々々のアイデアです。これに対し夜景は、デリダの本を選び、レコードのタイトルを決め、また「バシュラールの焰光」なるフレーズをB面ソロの直前に放り込んでみました。
タイトルの Moanin’ はアート・ブレイキーからの借用。動機は「クリスマス・シーズンに聴きたいセッションといえば、やっぱりブルーノートの4000番台?」といった素朴な思いつきがまずひとつ。そしてもうひとつは、このセッションの低音部は呻きである、と感じたこと。
呻き——意味でも、非意味でも、ない言葉。今回私たちはこの私的/詩的言語をさまざまに捉えています。デリダの〈幽霊〉にはじまり、鴇田智哉の灰となった死者や松岡瑞枝の光の裏にある呻き、私たちが何かを願うことの呻き、それからクリスマスにちなんだ精霊や、亡霊や、ジェイコブ・マーレイや、ビル・マーレイ(『三人のゴースト』)や、その他多くのスクルージを呼び込むことのできる素敵なコラボになることを共に願いつつ。
2014-12-21
【ライナーノーツ】呻く。降っても、晴れても。 小津夜景
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 comments:
コメントを投稿