後記 ● 村田 篠
中島憲武さんの〔ハイクふぃくしょん〕をいつも楽しみにしていますが、今回の「末裔」はことに好きです。人間とは異なる時間を生きるまなざしが描かれていて、恩返しでも復讐でもなく、ただ会うためだけにやってくる鶴にほろっとさせられました。
百閒を思わせるような茫々とした文体に導かれて最後まで読むと、そこにぽつんと俳句があって「ああ、そうだ。俳句フィクションだったんだ」と改めて思い出します。細かいことを言うと、「王城」という喫茶店の名前が絶妙で、店の雰囲気とか内装とか、時代までが目の前に浮かんできて、すばらしいなあ、と思います。
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今週も読み応えのある論が揃いました。どうぞお楽しみ下さい。小津夜景さんの「鴇田智哉を読む」は最終回です。
ところで、柳本々々さんの「々々」を打つとき、みなさんはどうされますか?私は「元々元々」と打ったあと「元」を消していたのですが、「おなじ」と打ち込むと「々」を呼び出せることについ先日気づき、それ以来「おなじおなじ」と打つようになりました。
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それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。
no.408/2015-2-15 profile
■柳本々々 やぎもと・もともと
かばん、おかじょうき所属。東京在住。ブログ「あとがき全集。」http://yagimotomotomoto.blog.fc2.com
■小津夜景 おづ・やけい
1973年生まれ。無所属。
■田島健一 たじま・けんいち
1973年東京生れ。「炎環」「豆の木」。現代俳句協会青年部委員。ブログ「たじま屋のぶろぐ」
■角谷昌子 かくたに・まさこ
東京在住。鍵和田柚子に師事。「未来図」同人。俳人協会幹事、国際俳句交流協会評議員、日本文芸家協会会員。詩誌「日本未来派」所属。句集に『奔流』『源流』。木島始との共著に『バイリンガル四行連詩集〈情熱の巻〉』、角川書店 『鑑賞 女性俳句の世界(5巻 井沢正江)』、俳人協会紀要「中村草田男 第 一句集『長子』の時代」ほか。目下、揚羽蝶の飼育に熱中。近所の井の頭公園散策が日課(井の頭バードリサーチ会員)。
■中嶋憲武 なかじま・のりたけ
1994年、「炎環」入会とほぼ同時期に「豆の木」参加。2000年「炎環」同人。03年「炎環」退会。04年「炎環」入会。08年「炎環」同人。
■馬場古戸暢 ばば・ことのぶ
1983年生まれ。自由律俳句(随句)結社「草原」同人。
■西原天気 さいばら・てんき
1955年生まれ。「月天」同人。句集に『人名句集チャーリーさん』(2005年・私家版)、『けむり』(2011年10月・西田書店)。ブログ「俳句的日常」 twitter
■村田 篠 むらた・しの
1958年、兵庫県生まれ。2002年、俳句を始める。現在「月天」「塵風」同人、「百句会」会員。共著『子規に学ぶ俳句365日』(2011)。俳人協会会員。「Belle Epoque」
2015-02-15
後記+プロフィール408
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