自由律俳句を読む 88
高木架京〔2〕
馬場古戸暢
前回に引き続き、高木架京句を鑑賞する。
砂の足が海の深さを知りたがる 高木架京
海の中で砂に沈み込む足を見ていると、何やら楽しい気分になる。この鑑賞文を書いている現在、季節は冬の真っ盛りだが、夏には久しぶりに遠浅の海で走ってみたい。
秋がつまらない魚の顏で出てくる 同
魚たちにどれほどつまらないという感情があるのか知らないが、確かに秋にはそんな顔をしていそうに思う。秋はそういう季節なのである。
グラスの中で氷の女消します 同
自身が映っていたグラスの中の氷を噛み砕こうとしているところか。夏らしい。
風鈴が黙って夜の詩になる 同
無音の夏の夜が、詩を詠みだしたところか。風鈴が揺れない夜も、楽しいものなのだろう。
鳥になるはずの雲が崩れる 同
惜しかった。結構な時間が詠みこまれているように感じる。
2015-04-12
自由律俳句を読む 88 高木架京〔2〕 馬場古戸暢
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