2015-05-10

自由律俳句を読む 92 ロケっ子〔2〕 馬場古戸暢

自由律俳句を読む 92
ロケっ子〔2〕

馬場古戸暢



前回に引き続きロケっ子句を鑑賞する。

僕のためじゃないポニーテールが宙を舞う  ロケっ子

作者はやはり、男性か。女性がポニーテールを詠むことはないのではないか。なお最近では、ポニーテールではなく何か別の名称を用いると以前に聞いたが、忘れた。

妹のくちびるに春がきた  同

妹のくちびるに春を感じたのだろう。ついに妹も、恋に落ちる齢となったか。

あのとき助けた蜘蛛はどうした  同

たまに気になることがある。この前、いつか助けた蜘蛛の死体を発見した。天寿をまっとうできたと信じたい。

雲が動いた私は残った  同

雲が動いたのか、私が動いたのか。地球の自転を含めて考えると、どっちなのかわからなくなるときがある。

生まれただけでよかったはずの子を叱る  同

叱ることすらできない親のもとに生まれてこなくて、この子も幸せである。いい子に育て。

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