自由律俳句を読む 92
ロケっ子〔2〕
馬場古戸暢
前回に引き続きロケっ子句を鑑賞する。
僕のためじゃないポニーテールが宙を舞う ロケっ子
作者はやはり、男性か。女性がポニーテールを詠むことはないのではないか。なお最近では、ポニーテールではなく何か別の名称を用いると以前に聞いたが、忘れた。
妹のくちびるに春がきた 同
妹のくちびるに春を感じたのだろう。ついに妹も、恋に落ちる齢となったか。
あのとき助けた蜘蛛はどうした 同
たまに気になることがある。この前、いつか助けた蜘蛛の死体を発見した。天寿をまっとうできたと信じたい。
雲が動いた私は残った 同
雲が動いたのか、私が動いたのか。地球の自転を含めて考えると、どっちなのかわからなくなるときがある。
生まれただけでよかったはずの子を叱る 同
叱ることすらできない親のもとに生まれてこなくて、この子も幸せである。いい子に育て。
2015-05-10
自由律俳句を読む 92 ロケっ子〔2〕 馬場古戸暢
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