自由律俳句を読む 100
矢野錆助〔2〕
馬場古戸暢
前回に引き続き、矢野錆助句を鑑賞する。
浅い眠りに氷の溶ける音 矢野錆助
薪がぽきんと折れる音で目が覚めるシーンを以前に映画で見たが、この句もそのような状況を詠んだものだろう。夏の昼下がりの気だるさを詠んだものと見た。
捕えたバッタ五本足 同
意外と足なしでも生きていけることに気づいた子供の時分、自身の足の切断を親に頼んで困らせたことがある。申し訳ない子供だった。
暗闇の水溜りにはまる 同
そのまますぎるためか、そのままに景が浮かんでくる。そこに面白みを感じる。
棚田山影に沈む 同
棚田の景色は、とにかく美しい。夕焼時であれば、掲句のようになおさらなのである。
誰ぞの軍手に霜の降る 同
よい景。こうした音のない句は、静かで時間がある時にゆっくりと味わいたいものである。
2015-07-05
自由律俳句を読む 100 矢野錆助〔2〕馬場古戸暢
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