【八田木枯の一句】
八月は常なる月ぞ耐へしのべ
西原天気
八月は、私たちにとって、特別な月です。
八月は常なる月ぞ耐へしのべ 八田木枯
八月は12ある月のうちの1つに過ぎない、特別な月などではない……。
木枯さんは、特別な月であること、常ならむ月であることを、もちろんのこと、じゅうじゅう承知しているからこそ、「常なる月」と言います。
そして毎年やってくる八月が、耐えがたいものであることを知っているからこそ、「耐えしのべ」と言うのです。
シンプルな反語表現が、私たちの八月が「特別」であることを永遠に忘れさせることなく、同時に、「耐えしのぶ」ことの覚悟を強く訴えている気がします。
掲句は第6句集『鏡騒』(2010年)より。
2015-08-09
【八田木枯の一句】八月は常なる月ぞ耐へしのべ 西原天気
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