【八田木枯の一句】
一月や附箋のごとく死のごとく
西原天気
一月や附箋のごとく死のごとく 八田木枯
「附箋のごとく死のごとく」あるのは、いったいなんでしょうか。
「や」で切れてい入るものの、一月が、ということか。
あるいは、なにもかもが、ということか。
あるいは、あるもの、あることは、とうことか。
なにがしかの(私的・公的な)出来事を、私たちは、のっぺりとした時間の流れの途中に、ひとりでどんどんめくれてしまうページの途中に、「附箋」を貼るように、印象として刻み、(しばし)記憶にとどめます。
死もまた、そんな附箋のひとつでしょう。
知らぬ間に剥がれ落ちている、という点でも、誰かの死は附箋と似ているかもしれません。
掲句は第4句集『天袋』(1998年)より。
ピエール・ブーレーズ(1925年3月26日 - 2016年1月5日)
2016-01-10
【八田木枯の一句】一月や附箋のごとく死のごとく 西原天気
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